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空に星が輝く様に
266部分:第十九話 お化け屋敷その八
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第十九話 お化け屋敷その八

 何はともあれ本当に三十分で仕事は終わった。それからであった。
「じゃあ。後は」
「部活か」
「行ってらっしゃい」
 椎名は二人に告げた。
「それじゃあ部活頑張ってね」
「何か今回も椎名大活躍だな」
 陽太郎は首を捻りながら述べた。
「運動会に続いてな」
「それは気のせい」
「気のせいなのかよ」
「呟きを聞き入れたのはつきぴー」
 あくまで彼女だと。手柄も渡していた。
「だからつきぴーがやったの」
「そうなるか」
「なる。じゃあ行ってらっしゃい」
 また告げる椎名だった。
 こうしてだった。二人は部活で汗をかいた。それが終わってからだ。もうすっかり暗くなってしまっている夜道で話をするのだった。
「あの」
「文化祭のことだよな」
「はい、愛ちゃんにはまた助けてもらいました」
 月美は照れ臭そうな顔で右隣にいる陽太郎に述べた。
「いつもですけれど」
「椎名って本当に月美大事にするよな」
「どうしてなんでしょうか」
 こんなことを言う月美だった。
「私なんかの為にいつも」
「月美だからじゃないのか?」
「私だからですか?」
「そうだよ、月美だからだと思うよ」
 陽太郎はその横にいる月美を見てまた話す。
「だからあいつだってな」
「けれど私愛ちゃんには何も」
「それは月美が気付いていないだけだよ」
「気付いていないだけなんですか」
「自分ではさ」
 こう月美に話す。
「気付かないものだしな」
「そうなのですか」
「自分のことが一番気付かないんだよ」
 陽太郎はこう言うのだった。
「月美はあいつにとってかけがえのない存在なんだよ」
「だったらいいのですが」
「そうだよ。そのことは安心したらいいさ」
「はあ」
「だからな」
 陽太郎の言葉は続く。
「そんなに自信ない感じでおどおどしなくてもいいしさ」
「おどおど、ですか」
「ああ。月美ってそういうところあるから」
「ですか」
「それって昔からだよな」
 また月美に問うた。
「やっぱり」
「はい、子供の頃から言われています」
 このことを実際だと。本人も認めた。
「私、子供の頃から」
「言われてきたんだな」
「習いごとがとても多くて」
 月美は自分の過去も話す。それは彼女にとっては今ではあまりいい思い出ではなかった。だがそれをあえて話すのであった。
「それで友達は」
「いなかったんだ」
「はい。けれど塾で愛ちゃんと会って」
「あいつが友達だったんだな」
「そうです」
 こう陽太郎に述べる。
「愛ちゃんが本当にはじめての友達で」
「あいつもそうなんじゃないかな」
「えっ、愛ちゃんもって」
「あいつ。結構とっつきにくいからな」
 陽太郎はその椎名のこと
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