機動戦士ガンダム
2104話
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」
「……へぇ、まぁ、その辺の話は後でゆっくり聞かせて貰うとして。何でまた、国作りなんて事を言い出したんだい?」
そんなシーマの真剣な……相手を見通すような視線を受けつつも、セイラは一切怯む事なく口を開く。
「父が提唱した、ニュータイプという存在をご存じでしょうか?」
「ニュータイプ? 宇宙に適応した人類だとか何とか……まさか……」
説明している途中で、セイラが何を言いたいのか分かったのだろう。シーマは数秒前までとはまた違った視線でセイラを見る。
「ええ、幸いなのか不幸なのか、偶然なのか必然なのかそれは分かりませんが……私はニュータイプとして覚醒しました。そして、時を見たのです。兄が……今はシャア・アズナブルと名乗っている兄が、コロニー落としのように小惑星を地上に落とそうとしている光景を。だからこそ、私は……」
「分かった。最後まで言わなくてもいい。あたしはあんたに……アルテイシアに協力する。それも全面的にだ」
最後まで言わせなかったのは、やはりシーマの中にコロニー落としという行為に対して強いトラウマがあるからだろう。
聞いた話によれば、催眠ガスだと言われたのがG2だかG3だかいう毒ガスで、シーマ率いる海兵隊のMSパイロットは何も知らないままに大量虐殺者の汚名を着せられたって話だし。
それだけに、セイラの今の言葉には思うことがあったのだろう。
「ありがとうございます。シーマ・ガラハウ中佐。ラルと同じく、頼りにさせて貰います」
「ああ、任せな。……ただし、あたし達が協力するからには、しっかりとあたし達の居場所を、帰るべき故郷を作って貰うよ?」
そう告げながら笑みを浮かべるシーマの表情は、普段のシーマ様と呼ばれて慕われている姐御的なものではなく、母性的な……マリューや千鶴を思わせる笑みだった。
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