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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【IS外伝7】

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 ある日の夜、ベッドで寝転がっているヒルトのお腹の上を歩くにゃん次郎。


「にゃぅ(妙に歩きにくいわね)」

「…………」


 自分のお腹の上を歩くにゃん次郎を暫く眺めているヒルトはふと考える。


(ここで腹筋に力入れたらどうなるかな……)


 暫くお腹を歩くにゃん次郎、飽きたのか降りようとした時だった。


「ムンッ!」

「ニャニャッ!?(な、何よォッ!?)」


 急に腹筋に力を入れられ、跳ねるようにベッドから床に着地したにゃん次郎は不思議そうにヒルトを見上げた。

 だがヒルトは気付かないふりをする、携帯を取り出して弄るふりをし始めた。

 急に跳ねて落ちたことを不思議に思ったにゃん次郎はまたベッドに跳び移る。

 恐る恐る前足でヒルトの横腹を撫でる様に触るが、特に変化はなく、さっきと同じようにお腹に乗ってみるも、筋肉質ではあるもののぷにぷにとした心地は変わらず。

 不思議に思いつつ、またお腹の上を歩くにゃん次郎。


「みゃぅ……(おかしいわね……)」

(何か、面白いな)


 ヒルトの唇が僅かにつり上がり、不思議そうにしているにゃん次郎に対して再度腹筋に力を込めてみる。


「ニャニャッ!(急に硬くなった!)」


 ペチペチとヒルトのお腹を猫パンチするにゃん次郎、硬いままでどういう事なんだろうと考えているとヒルトは腹筋から力を抜き、また歩きにくいぷにぷにのお腹に戻ったのだった。


「にゃぅ、にゃぅ?(不思議ね、あなたが何かしたの?)」

「…………」


 胸元まで移動したにゃん次郎だが、ヒルトは携帯を弄る(ふり)ので忙しいらしく、気付いてなかった。


「にゃーぅ、ペロペロ(少しは気づきなさいよ、ペロペロ)」

「ん……?」


 顎をペロペロするにゃん次郎、気づいてはいたが舐めてくるとは思わずヒルトは――。


「わははっ、構ってほしいのかにゃん次郎〜」

「にゃん、みゃぅ!?(違うわよ、って、お腹擽らないでよ!)」


 不意討ちと謂わんばかりにヒルトに腹部を擽られ、抵抗するように後ろ足でヒルトの腕を蹴るも、それもじゃれてるようにしか感じなかった。

 そんな平和なやり取りが続く夜の一幕であった。


「わふっ……わわん……(寝るわん……おやすみわわん……)」


 そんなやり取りの最中もいぬきちはぐっすり眠りにつく。
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