かなしい奇跡
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? どうしてだろう、あたし……」
わずかに交わした会話で。少女は知らず、神の抱く闇を、虚無を垣間見た。
それはあまりにも深く、あまりにも悲しい色をしていて。
彼女はそれに共感してしまったのだった。
「……奇跡、か」
急激に薄れゆく、神との遭遇の記憶。あの神は人間に記憶が残ることをよしとしない。彼は自分が立ち去る際に、少女の記憶にも操作を入れていた。
しかし、記憶が消えても事実は残る。共感した、感情は残る。
「悲しい、奇跡だったよ……」
だからそう、少女は呟いた。とてもとても、悲しい奇跡だったと。
しばらくそうやってたたずんだ後で、少女は動き出す。
「みんな、大丈夫か確かめなくちゃ」
縛られた大切な人たちのために、彼女はそのまま歩いて行く。
記憶は消えていくけれど、それでも「奇跡」が起こったという事実までは消えない。
様々な思いを噛みしめながらも、少女は「現実」へと帰る。
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