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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
Alicization
〜終わりと始まりの前奏〜
天泣
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。この際、今回の《変圧器》の影響を受けない保証はありません……!』
そう。
いくら電離層を利用するのが短波帯のみであっても、その他にもまったく影響がないということはない。GPSも即位誤差に繋がるし、何より信号そのものが歪曲させられれば受け取ることも難しくなる。
そこまで考え、補佐官の男は脂汗を流しながら、こう言った。
『……実質、今地球上の通信網の大半は、ヤツの手のひらの上です』
(三月一日 ノルウェー、スヴェンスク島イザヴェル基地 《M5》内部、作業員が忘れていったヘルメット装着型カメラより)
その《舟》は大前提として、奇妙な形だった。
1/750スケールの完成予想模型を見たならば、第一印象として、そして何よりインスピレーションとしてこう思うはずだ。こう連想するはずだ。
まるでリボルバーの銃身のようだ、と。
実際問題、その連想ゲームはまったく的外れなものでもない。なぜなら《M5》――――《Mass Manifold Material Massacre Machinery》は艦船でありながら砲艦。そしてその運用方式を思えば、大砲に近いのだから。
全長二八〇メートル、全幅八六メートル。
ノルウェーが主導開発していた、次世代型の対国家戦用ステルス潜航移動型多変式汎用無人砲艦。
お役所仕事で名付けた正式名称がやたら長いという、ワールドワイドなあるあるネタはさて置いて、《M5》の基本設定である無人潜航艇であるが、しかしその見た目は既存のどのような潜水艦とも違う。
まず、流線形ではない。不格好の極みだが、基盤となる中央セクターが九本の《砲身》を円状に抑え込み、それらの砲身に囲まれるように直径約四メートルの芯棒が伸びているといった具合だ。どちらかというとその様子は、ガトリングガンのようにも見える。
リボルバーのシリンダーというよりは顕微鏡のレボルバーのように砲身そのものを回転運動でダイレクトに交換し、砲撃の質そのものを操るのである。しかも、超音波やマイクロ波、化学酸素沃素レーザーや荷電粒子砲など、そもそも実弾兵器ではないものの方が多いという、頭が悪そうというか、頭が痛くなるようなラインナップ。
スペックシート上では、一つ一つがキロトン級の原爆に匹敵するエネルギーを有しているというが、その下支えとなっている動力源のMHD動力炉はそれを軽々と上回るメガトンクラスで、ぶっちゃけ突っ込ませて炉心爆発でもさせた方が被害が大きいというのは公然の秘密である。
さて、無人機ゆえの人体をまったく考慮しない無茶な設計と、表面装甲に採用された新素材の微細振動タイルで規格外のステルス性を獲得したがゆえに流体力学を無視したその怪物に、当然というか、本来コックピットの
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