第17話 砂漠の悪魔
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…が、強烈な重力波を受けたかの様に翅が上手く動かせない。もがくのも一瞬であり、直ぐに大地へ叩きつけられた。巨大なクレーターを作りながら。
大地に叩きつけられたネプラカスだが、実の所物理的な攻撃に関しては大体が無効化できるほどの強固な身体を持っている。魔人の無敵結界とは違うが、それに近い程の耐久力を持っているのだ。一見派手に叩きつけられたが、直ぐに這い出す事が出来た。
ほぼ無傷である事そのものが、イラつかせる原因でもある。
『ぐっ……、あ、あの男。一体何なのだ……!? なぜ、私は あの男に攻撃を……!? なぜ、あの男から逃げる事が出来ない!? 何故、逃げの手を取らないのだ!?』
「さぁな。そりゃオレも知りたいね。と言うより、あの人の事なら何でも知りたいって感じだ」
「っ………!?」
這い出たその場所には、もう1つの影があった。
歪な形をした剣を左手に携えた男が、何処か憐れみさえも醸し出す様に、見下す様にネプラカスを見下ろしていた。
「さっきぶりだな、ネプラカス。尻尾巻いて逃げた割には情けねぇ姿じゃねえか。……そのままくたばれ!!」
「ぐっ……この、小悪魔が……! 罪深き存在がぁぁぁ!!」
ネプラカスは 振り下ろされた剣を、爪と触手を使って受け止めた。
「(助かった、か。何故か判らんが、アイツからコイツに意識を変えれれば、行動の選択肢が湯水の様に沸く)」
ネプラカスは、大規模な白煙を生み出した。その巨体も余裕で覆いつくすだけの煙を。
振り下ろした剣に、手応えは無かった。煙を吹き飛ばす様に剛腕に任せて剣を振り続ける。飛ばしても飛ばしても、ネプラカスの姿を捉える事は出来なかった。
「テメェ……! また逃げる気か!? 何度も何度も情けねぇ野郎だな!」
『いずれだ。貴様も、いずれ、罰を与えてやる……!』
その言葉を最後に――ネプラカスの気配そのものが、この場から消失したのだった。
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