第17話 砂漠の悪魔
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いたかの様に、ゾロは身体を捻り、背後から襲ってきた鎌風を避けた。
凄まじい威力の斬撃は、轟音を辺りに響かせながら 砂漠の大地をも割り 巨大な亀裂を作った。
「ク・ナ・モ・ナ・モ・ニ・カ・イ・ニ・ス・ナ・ミ・チ………。ト・ン・ナ・カ・ナ・キ・イ・ミ!」
ゾロの背後より現れたのは、目測で4mはあろうかと言う巨躯を持つクエルプランとはまた違った異形の化け物。何処かドラゴンにも似た頭部を持ち、鋭い爪が生えた手足が複数ある。その内の1つが先程の鎌風を産んだ様だ。
「お前は予想通りだったよ。……しかし 魔人の次は第壱階級悪魔。近頃は色んな意味で随分と豪勢」
「…………」
顔見知りとでもいうのだろうか、ゾロはたじろぐ様子を一切見せない。攻撃を躱した時の様に、まるでいる事を知っていたと言わんばかりに、身体を正面に向けた。
現れたのは第壱階級悪魔 ネプラカス。 神異変後に暗躍を続ける悪魔であり、幾度となく人間界へと赴いている。
その目的は 神に変わり悪魔が全てを統べる存在とする為。
そして、その成果は思わしくないのだ。……その最大の理由が目の前にいるゾロと言う男。
時にはスカし、時にはあしらい、……さらには撃退するまでの事をする。力の差があるのか、無いのかさえ判らない。ゾロと相対する時決まって ネプラカスは混乱極まるのだ。勝てないのであれば、逃げの一手。放置が最善だと言う事は判る。だが、何故かはわからないが、出来なかった。
それは頭にある予感がこびり付いて離れないからだ。
そう 全てを―――。
「ノ・ニ・カ・ク・モ・シ!」
「流石に私は悪魔語は解さない。話がしたいのであれば、人の言葉を使え。……無論、力で語っても構わないぞ。そうだな、次は叩き潰してやろう」
「………ク・イ・モ・ナ」
忌々しそうに睨みつけるネプラカス。
隔たる壁が大きいのか、小さいのかが判らない。逃げる事さえも選択出来ない自分自身も判らない。
故に――。
『殺す……、殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!』
ただ、狂った様に襲い掛かる事しかできないのだ。
猛攻といっていい連撃。内に持つ牙、爪、触手、全てを使う波状攻撃。
攻撃の嵐と言っていい中でも、まるで攻撃が来ない場所を最初から知っていたかの様に、最小限の動きで攻撃を避け続けられる。
最後は吸い込まれた? と錯覚してしまう程に 懐までの侵入を許していた。
「お前に空は似合わない。……地へ堕ちろ」
繰り出す剣撃が腹部を襲ってきた。咄嗟に触手を身体に引き寄せ、ガードに徹したのだが、威力が強く 身体事地面に向かって吹き飛ばされてしまった。
翅を使い、地面に当たるまいとはばたく…
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