暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
先はどこに
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話

 それをアレスはまっすぐ受け止めた。
「若いな。これから長い軍人生活を送るだろうが、正面から正論を言って正しいというわけではない。下手に正義感を出せば、後々に苦労することになるぞ」

 アロンソの忠告の言葉に、アレスは苦い顔を浮かべた。
 どこか達観した――そう、まるで若いのに、随分と老けた老人のような顔だ。
「長い軍人生活――ならば、私も言葉を選びます。先があるというのならば」
「どういうことだ」
「いえ、何もございません。ご忠告には感謝します、では」
 アレスが話を打ち切るように敬礼をして、静かに踵を返した。

 アロンソは驚いた表情のままに、それを見送るだけしかない。
 慌ててパトリチェフが追いかける。
「――そんな余裕はないからな」

 寂しげに、悲しげに――独り言のように言った言葉が、追いかけるパトリチェフの耳に残った。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ