先はどこに
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それをアレスはまっすぐ受け止めた。
「若いな。これから長い軍人生活を送るだろうが、正面から正論を言って正しいというわけではない。下手に正義感を出せば、後々に苦労することになるぞ」
アロンソの忠告の言葉に、アレスは苦い顔を浮かべた。
どこか達観した――そう、まるで若いのに、随分と老けた老人のような顔だ。
「長い軍人生活――ならば、私も言葉を選びます。先があるというのならば」
「どういうことだ」
「いえ、何もございません。ご忠告には感謝します、では」
アレスが話を打ち切るように敬礼をして、静かに踵を返した。
アロンソは驚いた表情のままに、それを見送るだけしかない。
慌ててパトリチェフが追いかける。
「――そんな余裕はないからな」
寂しげに、悲しげに――独り言のように言った言葉が、追いかけるパトリチェフの耳に残った。
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