第3話
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トバーナードを飼ってます』と付け加え席に着く。如何やら好きな動物を言う事が確定してしまったらしい。
出席番号2番は“海野 葵”でウサギ好きらしい。
出席番号3番……即ち俺の目の前の席の奴は“江田 洋司”と言い金魚を飼ってるとか……
また俺が自己紹介するのかと思ったが、巨大三毛猫は「じゃぁ出席番号5番の君、宜しくね」と俺を飛ばして蔵原を見る。当然か……
「うぃっす! 俺の名前は蔵原竜太。動物は全般的に好きですけど、一番好きなのは美少女です! このクラスでラッキーと心底思っております! ってなワケで、女子の皆さん末永く宜しくお願い致します! あ、男子は別に宜しくしないで良いよ」
何つーふざけた自己紹介だ。
そんなに美男子でもないのに……いや、俺とそれ程変わらない容姿のくせに、俺なんかより女慣れしてそうだ。軽蔑したいが正直羨ましいよ。
そんな事を考えていると、遂に1匹目の巨大猫の自己紹介に突入する。
俺の左前に座るアメリカンショートヘアー……
順番が来てスッと立ち上がり、周囲に顔が見える様に身体ごと見渡すと、最後に俺の方を見てニコッと笑う。な、何故笑った!? 怖いよー。
「初めまして、私は佐藤 愛香音です。私も猫が大好き! 大嫌いなのは女誑しです。蔵原みたいな奴ですね。どうぞ宜しくお願いします」
ね、猫好きだから俺に笑いかけたのか? ヤバイよ……本当は別に猫好きじゃないし。バレたら殺される?
自分の失敗にガクガクブルブル震えてると、次の巨大猫が自己紹介に入った。
そう……白い毛玉の様な巨大ペルシャ猫。
蔵原は『ハーフか?』と言ってたが、そんなに外人っぽいのかな? 毛玉なんだけど……俺には。
「どうも初めまして。私の名は白鳥 エレナです。この金髪は地毛で、見ての通りハーフですわ。父は日本人ですが、母がロシアの生まれですの。私も猫が大好きで、自宅でも猫を数匹飼っておりますわ」
長い毛足をブワっと掻き上げ、何とも言えない気品を撒き散らし着席する白毛玉。
やはり猫好きと言う事で、最後に俺の方を見るや笑いかけてきた……怖いのは変わりない。
だが巨大猫に笑いかけられたのは既に2度目なので、何だか慣れてきた気がする。自分の順応力に吃驚だ。
「はい、じゃぁ最後ね。窓際席一番後ろの君。自己紹介をお願いします」
気が付けば1年2組最後の一人に順番が回ってきてた。
そう……3匹目の巨大猫。シャム猫の自己紹介だ。
「は、初めまして……私は渡辺 愛美です。趣味はお菓子作りで、私も猫が大好きです! 家では1匹飼ってます! どうぞ宜しくお願い致します」
3度目。巨大猫に笑いかけられるのは3度目だ! 軽く会釈をするくらいの心の余裕は生まれてきた。
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