第5章:幽世と魔導師
第166話「逢魔時退魔学園」
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
犯罪者には非殺傷を、今までの妖は人型でも異形だとわかる者ばかりだった。
故にほとんど人間と変わらない見た目の式姫を切り裂いた事に少し動揺してしまう。
……が、それは守護者との戦いの時点で覚悟していた事。
優輝達にも力を持つことはこういう可能性があると教えられていた事もあり、すぐさま奏は気を取り直す。
「『……どうしてここに?』」
素早い式姫を二人倒し、すぐさま奏はフェイトに念話で聞く。
「『ダメージの大きくない人は目を覚ましたから、半分が妖の足止め。もう半分がこっちの援護にってクロノが』」
「『……よく結界内に入ってこられたわね』」
守護者の結界がある今、外部にいたフェイトたちは簡単には侵入できないはず。
それを奏は指摘し、尋ねる。
「『結界そのものは幽世の神が一時的に穴を開けて、そのタイミングで侵入したんだ。でも、さすがに幽世の神も長期戦で疲弊してて、足止めに人員を割いたのもそれで……』」
「『……そういうこと。……アリシアの状態に心当たりは?』」
アリシアの纏う二つの霊気は、アリシアのものではない。
誰の霊力なのかは、位置が離れている奏にはわからないが、違う事はわかっていた。
「『……アリサとすずかが、何かやっていたぐらいしか……』」
「『その情報で十分よ』」
詳細は分からなくとも、奏には三人が協力したのだろうということは分かった。
事実、今のアリシアは憑依の術式を参考にアリサとすずかの霊力を譲渡。
その霊力によってパワーアップをするという、“疑似憑依”のような事をしていた。
「(たった三人。されど三人。……少しでも、可能性は増える……!)」
魔導師でしかないユーノとフェイト。そして実戦経験が浅いアリシア。
戦力としては心許ないように思えるが、それでも援軍はありがたかった。
「ユーノ、バインドの援護と防御をお願い!」
「アリシアは!?」
「私は出来る限り矢と術で援護してみる。どの道、固まって連携を取らないとあの人数は優輝か司じゃないと相手にできないよ!」
遠距離にいたユーノとアリシアも、細心の注意を払いながら奏達のいる所へ合流する。
依然、戦力差は絶望的。
しかし、それでも優輝達は諦める事なく足掻き続ける。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ