第5章:幽世と魔導師
第166話「逢魔時退魔学園」
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や矢が飛ぶ。
王の財宝から取り出した宝具で身を固めているため、傷は負っていないものの、それも時間の問題と思えた。
「っ……憑依を解く時間も、ないっ!!」
―――“刀奥義・一閃”
「はぁっ!」
ギギィイイン!!
襲い掛かる式姫達の攻撃を、必死で凌ぐ。
数は多いが、一斉に襲い掛かる事はない。
お互いを邪魔しないように、近接系の式姫は最低限の人数でしか襲ってこなかった。
それが、唯一の救いとも言えた。尤も、ジリ貧でしかないが。
「“チェーンバインド”!!」
「ッ……!?」
その時、鈴達の後方から大きな声と共に大量の魔法陣が展開された。
「ユーノ……!?」
「アリシア、今だよ!」
「オッケー……!しっかり守ってよね……!」
そこには、魔法を行使するユーノと、炎と冷気のような霊力を纏ったアリシアいた。
奏達がそのことに驚いている間に、アリシアが矢を放つ。
「司!!帝!!」
「っ、はぁっ!!」
「そこだぁっ!!」
アリシアの呼びかけに、司と帝は反応する。
拘束されている式姫に向けて、三人の攻撃が直撃した。
何人かが障壁を張っていたが、一斉攻撃の前には無駄だったようだ。
「(アリシアとユーノだけじゃない……!フェイトも……!)」
「奏……!」
「ッ……!」
思考よりも先に、フェイトのその呼びかけに奏は反応する。
そこへおつのと建御雷が猛スピードで迫る。
「ふっ……!」
ギィイイイン!!
刹那、ザンバーフォームのバルディッシュと建御雷の槍がぶつかり合う。
拮抗はなく、力負けしたフェイトが後退する。
「はぁっ!!」
そこへ割り込むように奏が攻撃。建御雷の槍を上に弾く。
―――“火焔旋風”
「想定、済み……!」
―――“霊閃”
おつのの霊術が飛んでくるが、それは奏が続けざまに放った一閃に相殺される。
「はぁぁあっ!!」
間髪入れずにフェイトが建御雷に肉薄。
ギィイン!!
「ッッ……!」
〈“Plasma Smasher”〉
再び槍とぶつかり合い、吹き飛ばされる。
しかし、意地で放った砲撃魔法が建御雷に直撃。倒す事に成功する。
「逃がさない……!」
―――“Delay”
奏はおつのを追いかけ、一度だけさらに加速を重ね掛けする。
一瞬とはいえ負荷が大きかったが、それでおつのに追いつき、霊術で妨害される前に切り裂く。
「ッ……」
今更だが、人型の存在を斬り殺す経験が奏にはない。
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