第5章:幽世と魔導師
第166話「逢魔時退魔学園」
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「くっ……!」
―――“弓技・火焔の矢-真髄-”
―――“弓技・氷血の矢”
―――“弓技・氷血の矢-真髄-”
―――“弓技・火焔の矢”
ギィイン!ギギィイン!
炎には氷、氷には炎と、守護者の放つ矢を対称の属性を宿した矢で相殺する。
否、相殺ではなく、威力を削いでいるだけだった。
展開速度こそ追いついているものの、威力は椿の力を得た今でも負けている。
「(このまま地面まで……くそっ!)」
矢と矢の撃ち合いは続く。
矢同士での相殺は出来ていないので、レイピアで残りの威力を落とす。
しかし、その間にも守護者は霊力の足場を蹴り、地面へと向かっていた。
それを止める事も出来ず、優輝は式姫達がいるど真ん中まで誘い込まれる。
「『……巻き添え、食らうなよ?』」
「『えっ……?』」
念話で忠告し、優輝は魔力を練った。
優輝の戦闘スタイルはオールラウンダーではある。
しかし、それ以前に“ベルカの騎士”でもある。
つまり、“一対一に強い”という性質を持つ。
……裏を返せば、“巻き込んでしまうから集団戦ができない”と言える。
「一対一……または一対多……散々やってきた事だ。ただで倒せると思うなよ……!」
神降しは、戦闘スタイルと感覚が違ったから。
それ以外の時は、誰か味方がいたから、本来の戦い方ができなかった。
だが、憑依で力が底上げされた程度なら、本来の戦い方ができる。
巻き添えなど考慮している状況でない今、優輝は導王としての力を完全に発揮する。
「ッッ……!!」
ギギギギィイン!!
守護者から、そして周りの式姫から繰り出される刀の攻撃。
それを、僅かに軌道を逸らすだけで回避する。
一対一であれば、その先の動きもしなければならないが、相手が複数で一斉に襲ってきた場合は、その限りではない。
「ッ……!?」
「ふっ……!」
―――“火炎”
―――“氷柱”
―――導王流壱ノ型“流水”
飛んでくる霊術も、霊力を纏わせた拳で逸らす。
追撃や反撃をしようとする式姫を抑えつつ、優輝は逸らした反動で体を浮かせる。
「せぁっ!!」
そして、その瞬間。上空から大量の剣を降らせた。
守護者はあっさり切り抜けるも、式姫達は無傷といかないようだ。
「(守護者の攻撃を凌ぎつつ、それに巻き込んで式姫を倒す……!)」
反撃に出ることは出来なくとも、耐える事は出来る。
そう考え、優輝はそのまま攻撃を凌ぎ続けた。
ギィイン!!ギギギギィイン!!
「くっ……!」
「一人を悠長に相手し
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