167 今後(これから)
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「みきえちゃん、僕も見送りに行くよ」
「ありがとう、藤木君!」
「それじゃ僕はタロを休ませるよ」
「うん、さようなら、西村君、また会おうね」
「う、うん、そうだね・・・」
たかしとタロは皆と別れた。たかしはこの時、自分の犬を必死で助けてくれ、自分をいい飼い主だと褒めた堀にも謝意と共に好意を抱いた。城ヶ崎も好きではあるのだが。とにかく、ある事をやり遂げなければならない。それは城ヶ崎のベスを預かるという使命を果たす事・・・。
藤木は一旦みどり達と別れ、スケートウェアからいつもの服装に着替えた。清水駅で待ち合わせる約束だったので、清水駅へと向かった。まだ早かったようで藤木は駅前でみどり達を待った。
みどり、堀、みきえが堀の父が運転する車で訪れた。
「藤木君!」
「みきえちゃん、今日は楽しかったよ」
「こっちこそありがとう。美葡ちゃんにも宜しく言っとくよ。世界大会頑張ってね。じゃあね!」
「みきえさん、さようなら」
「また会おうね」
みきえは改札を通って皆と別れた。藤木達は帰る事にした。
「あの、藤木さん」
「何だい、みどりちゃん?」
「いつご出発なされるのでしょうか?」
「ああ、次の日曜だよ」
「分かりました。それでは私達もお見送りします!」
「うん、それいいわね!」
「ありがとう、二人とも。それじゃ、僕は失礼するよ」
「うん、さようなら」
藤木は二人と別れて帰っていった。みどりは自分が恋する藤木にどうしてもメダルを獲らせて欲しいと神や仏に祈っていた。なぜなら自分が藤木を好きになった理由は彼のスケートの上手さなのだから。そしてその栄光を掴みとって日本に戻ってくると信じて・・・。
世界大会への日は迫り来る。先ずは東京のスケート場での合宿に参加して今以上に鍛えなければならない。
(リリィ、笹山さん、絶対に約束を果たすよ・・・)
藤木には好きな女子二名と約束した事が二つあった。一つはスケートで世界一になる、すなわち世界大会で金賞を獲る事、そしてもう一つは卑怯を治す事・・・。
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