第51話
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クダエル議長の力を必要としていたのに………」
エリィの説明を聞いて複雑そうな表情をしたユウナは新たに抱いた疑問をエリィに訊ねた。
「……お祖父様は高齢である自分だと若い陛下達の足かせになるという理由で引退したのだけど………ひょっとしたら、自分が生まれ変わったクロスベルでも為政者を続けていれば、エレボニア帝国のように陛下達のやり方に不安や不満を抱いたクロスベルの人々がお祖父様自身を”派閥”の長にする事で”派閥争い”が起こる可能性を無くす為に、自分とは全く違うやり方でクロスベルを治めるつもりである陛下達の登場を機に政治の世界から退いたのではないかとも思っているわ。」
「まあ、実際”クロスベル問題”の元凶の一つはエレボニアと旧カルバード、それぞれの派閥に所属している議員達による派閥争いだからな。二大国の派閥争いの真っ只中で必死に諍っていたマクダエル議長だからこそ、派閥争いの愚かさやそれによって起こる”最悪の事態”という前例があるから、生まれ変わったクロスベルがそうならないように自ら退く決意をしたのかもしれないな。」
「”派閥争いによって起こる最悪の事態の前例”………―――――1年半前のエレボニア帝国の”貴族派”と”革新派”の派閥争いによって起こった内戦ですか……」
エリィとヴァイスの推測を聞いてすぐに心当たりを思い出したリィンは重々しい様子を纏って呟き
「……………もしかして、エリィ先輩があの時―――――メンフィルとエレボニアのVIPの人達を迎える場にメサイア皇女様達と一緒にいた理由はクロスベル帝国政府内で”派閥争い”を発生させない為ですか?」
「え………」
「ほう……?今の話だけでエリィがメンフィルとエレボニアのVIP達を迎えるクロスベルのVIP担当の一人として選ばれた理由の一つを察するとはな。クロスベル軍警察の就職を希望しているとの事だが、案外政治家に向いているのではないか?」
ユウナの推測を聞いたエリィが驚きのあまり呆けた声を出している中ヴァイスは興味ありげな様子でユウナを見つめた。
「さっきユーディット皇妃陛下達からエリィ先輩もメンフィルとエレボニアのVIPの人達を迎えるクロスベルのVIPの一人として選ばれた理由の推測を教えてもらって、そこから推測をしただけです。」
「え……ユ、ユーディット皇妃陛下達が?お二人は一体どんな話をユウナちゃんにしたのかしら?」
「実は―――――」
ユウナの答えを聞いたエリィは戸惑いの表情でユウナに訊ね、リィンはユウナの代わりにユーディット皇妃とキュアから聞いたエリィがメンフィルと”三帝国交流会”のクロスベルのVIPの一人に選ばれた理由の推測について答えた。
「そう……ユーディット皇妃陛下とキュアさんがそのような事を………そうね。お二人
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