ep23 ガンダムマイスターの総意
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「きみの意思を確かめにきた。まだ戦う気があるのかどうか」
ティエリアの前に立つアレルヤは穏やかな表情を浮かべている。彼の回答は早かった。
「戦うよ。この船を守れるのは僕たちだけだ。例え滅びの道を進んでいるとしても……僕たちは戦う」
「承知した」
ティエリアはアレルヤの部屋を離れ、次の確認に向かう。
もう1人のガンダムマイスター、刹那・F・セイエイの元へ。
ティエリアを見た刹那の反応は意外と薄かった。もしくは、彼は彼でロックオンの死に動揺しているのかもしれない。ティエリアには、刹那の目に力がこもっていなかったように感じられた。
まず、ティエリアは先ほどの八つ当たりを謝った。
「……さっきは悪かった」
そこで、刹那の表情がようやく変化した。驚いたような、不思議だというような定まらない顔をしている。それから彼は訝しげに呟いた。
「わざわざそれを言いにきたのか?」
「違う。今のはついでだ」
「……」
「単刀直入に聞く。戦う意思があるかどうか、答えろ」
「俺は戦う。俺の意思で」
「……分かった」
ティエリアは刹那から目を逸らし、部屋の前を離れた。背後で、刹那が部屋を出たのを感じる。エクシアの元へ行ったのか、大破したデュナメスか。ティエリアはその時点で刹那のことを考えるのを止めた。
それから、ティエリアは最後に自身の戦う意思を再確認する。
ーー紛争の根絶。恒久和平の実現。イオリア計画を託された我々が、それを完遂する。
ーーそのためには国連軍を打ち倒し、組織の裏切り者を見つけ出さねばならない。
ーー私だけではない。ガンダムマイスターが実行する。計画のために。そして……。
「……ロックオン」
ティエリアは、デュナメスのパイロットの名を口にする。それは、計画を何より遵守し、ヴェーダに心酔していた今までの彼ではありえないことだった。
幾多の苦難と仲間の死を乗り越えた紫髮のガンダムマイスターは、計画を貫くために再び戦場へと駆け出していく。
終
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