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空に星が輝く様に
249部分:第十八話 運動会その七
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第十八話 運動会その七

「だからな。どっちかっていうとな」
「あれっ、政治家もできそうよ」
 今言ったのは津島でである。
「そっちもね」
「じゃあ何ていうんだ?」
「ビスマルクかな」
 今言ったのは赤瀬である。
「それかな」
「ビスマルクじゃねえだろ」
 狭山はそれはないとした。
「ちょっとな」
「違うかな」
「ビスマルクって身長二メートル近い大男だったんだぜ」
 狭山はここから話すのだった。
「それに凄い大食らいでな」
「どんなのだったの?」
「生牡蠣百個以上とかゆで卵を十何個とかな」
 こう津島に述べる。
「とにかく滅茶苦茶食ってたんだよ」
「僕どっちも食べたことあるよ」
 その大男の赤瀬の言葉だ。
「大体背もそれ位だし」
「っていうか御前は化け物かよ」
「僕が化け物ならビスマルクも化け物だけれど」
「だから凄い大食漢だったんだよ」
 あらためてこのことを話す狭山だった。
「それにな」
「それに?」
「二十数回の決闘に勝って顔に向こう傷まであってな」
「向こう傷ね」
「乱暴者ビスマルクって呼ばれてたんだよ」
 このことも話すのだった。これは実際のことでありビスマルクはかなり過激な男でもあったのだ。少なくとも畏まった人物ではなかったようである。
「そういう奴だったんだけれどな」
「っていうかそれって外見と食べる量以外椎名じゃない」
 ところが津島はまた狭山に言うのであった。
「そのまま」
「喧嘩が強いところもか」
「そうよ。椎名ってビスマルクよ」 
 椎名をこう評するのだった。
「うちのクラスのね」
「そうか、軍師じゃなくて宰相だったんだな」
「実際に将来選挙に出るから」
 椎名はポーカーフェイスで語った。
「宜しく」
「何か怖いな。鉄血宰相の再来か」
「日本を最強の国にする」
 椎名の口元はここでは微かに緩んだ。
「そう、アメリカや中国よりも強い国にする」
「まあその時は応援するさ」
 陽太郎は相変わらず月美が作ったその重箱の弁当を食べていた。食べながら述べたのであった。
「選挙に出たその時はな」
「宜しく」
「それじゃあ四組のことは頼めるか?」
「うん」
 このことはこくりと頷いて答えた椎名だった。
「任せて」
「じゃあそういうことでな。あらためて食うか」
「よし、そうだな」70
「午後もあるしね」
 狭山と津島も応えた。そのうえで楽しい昼食の一時を過ごしたのだった。
 そしてだ。椎名はふと学年主任の前を通り過ぎた。その時だった。
「おい、椎名」
「はい」
 呼び止められてだ。すぐに言葉を返した。
「何か」
「落としものだぞ。ハンカチだぞ」
 そう言ってだ。主任先生は自分からそのハンカチを拾った。純白の奇麗なハン
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