情報交換
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ようなものだ。それは琴里達も避けたい展開だ。
「オーケー。 分かったわ」
琴里は、チュ○パ○ャ○スの棒をピコピコさせながら頷く。 それを確認した後、暁夜は説明を始めた。
「まずあの力は精霊と同じ天使だ」
「せ、精霊と同じ!?」
クルーの一人が大声をあげるが、琴里はそちらをひと睨みして黙らせる。
「続けていいか?」
「ええ、続けて」
「あの天使は【明星堕天】。 識別名は【アヴェンジャー】。 因みにこれを知ってるのはDEMの社長と秘書に数名、そしてお前らのみ」
「アヴェンジャー・・・『報復者』か」
暁夜が告げた識別名に、令音が自身の顎に手を当てて呟いた。まるで一言一言を記憶に刻み込むように。その仕草に暁夜は既視感を覚えるが、人違いだと思考を切り替えた。
「ちょっと待って。あなたが精霊? じゃあ元から人じゃなかったってこと?」
「それは違う。 俺は元々お前らと同じ人間だ。 要するに十香や<ハーミット>みたいに元から精霊の奴と違って、俺は半分人で半分精霊と言ったところだな」
「ふむ、半人半霊か。興味深いね」
「でもおかしくないかしら? どうして精霊の力を得たあなたが精霊を憎むの? 一応、同胞ってことじゃないの?」
琴里がそう尋ねる。 確かに疑問だろう。 人であり精霊である暁夜が、なぜ精霊を殺そうとするのか? というのは。
「それってさ、言わなきゃダメか?」
「・・・どうしても言いたくないことかしら?」
「あぁ、特にお前には」
暁夜は琴里を見て、頷いた。
「はぁ、分かったわ。 じゃあ、彼女のことを教えてくれる?」
「大した情報はないけどいいか?」
「別にいいわよ。 私達よりは知ってるはずだから」
「分かった」
その後はリンレイについての情報提供だ。とりあえず説明したのは、
『対精霊特化のCRユニットを持つ』
『敵味方関係なく邪魔するもの全てを攻撃する』
『暁夜が対人戦で勝ったことは無い』
の三つだ。
「なるほどね。あんたよりもバケモノだって事は把握したわ。もしかしてDEMにはアンタらみたいな化け物しかいないの?」
「あー、と。 それは残念ながら否定できない」
暁夜は視線を横に逸らして苦笑いを浮かべる。
「とりあえずこれで聞きたいことは終わりよ」
「じゃあ、約束通り人形返すわ」
暁夜は右手にはめていた兎型人形を外し、琴里に投げた。それをキャッチして、
「ありがとう、暁夜」
琴里はお礼を言う。
「お礼はいらねえよ。俺も知りたいこと教えて貰ったし、元々、折紙に内緒で捨てようと思ってたからな」
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