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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
兎を狩る獣
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−−ちっ。 天使出される前に始末したかったのに。君達のせいで面倒事が増えたよ」

リンレイは不機嫌そうに呟いて、士道を壁に投げつけた。ドガッと大きな音をあげ、背中を強打する。さらに肺が圧迫されるような痛みに咳き込む。

「ほら、そこの君も。あの子連れてここから離れなよ。 巻き込まれて死んでも知らないよ?」

<クラレント>の切っ先を士道に向け、十香にそう声をかける。十香は悔しそうに、リンレイを睨んだ後、士道を連れて階段を降りてく。それを確認して、リンレイは視線を《ハーミット》に向ける。

「いやー、相変わらず不細工な人形だねー。それに大して強くもない図体デカイだけの雑魚天使。 アレ使うまでもないよ」

全長三メートルはあろうかという、ずんぐりした縫いぐるみのようなフォルムの人形。 体表は金属のように滑らかで、所々に白い紋様が刻まれていた。そしてその頭部と思しき箇所には、長いウサギのような耳が見受けられる、それを見て、リンレイは酷くつまらなそうに告げた。

「・・・・!」

《ハーミット》は、自分の足の下から出現した人形の背にぴたりと張り付くと、その背に明いていた二つの穴に両手を差し入れた。次の瞬間―――人形の目が赤く輝き、その鈍重そうな体躯を震わせながら、

グゥォォオオオオオオオオオォォォォ―――

と、低い咆哮を上げる。

それに伴い、人形の全身から白い煙のようなものが吐き出された。

「<クラレント>起動」

リンレイがそう呟くと、白銀のレーザーブレードに紅闇色の雷が迸った。

「・・・・!!」

《ハーミット》が小さく手を引いたかと思うと、人形―――<氷結傀儡>が低い咆哮と共に身を反らした。すると、デパート側面部の窓ガラスが次々と割れ、フロア内部に雨が入ってくる。
 否―――正確に言うのなら、少し違う。窓が割れて雨が入ってきたのではなく、まるで、雨粒が凄まじい勢いで以て、外部から窓ガラスを叩き割ったかのような感じだった。

「・・・雨の弾丸か」

微かに口元に笑みを刻み、コチラに殺到する雨の弾丸を全て<モルドレッド>の機械鎧(オートメイル)で受け止める。 そして、それと共に地面が砕ける音が響き、

「・・・!?」

巨大なウサギの人形の右側腹部分に強力な衝撃が打ち込まれた。

ドズン!

という鈍い音。ウサギの人形に乗っていた《ハーミット》ごと、信じられない速さで吹き飛び、デパートの壁を砕き、外へと放り出された。大気が揺れ、電灯が砕け散り、ジャングルジムなどの玩具が破壊された。風圧だけでこの威力。では、モロに攻撃を食らった《ハーミット》の方はどれほどのダメージを受けているのかというと、

巨大なウサギの人形にヒビが入り、それに乗る《ハーミット》は口から血を吐いてい
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