空間震警報再び
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「あー・・・びしょびしょだ」
暁夜はそうぼやきながら高層マンションのエレベーターが降りてくるのを待つ。
「早くシャワーを浴びたい」
「あぁ、そうした方がいい」
濡れて肌にベッタリとくっついた制服越しから覗く折紙の程よい大きさの胸とそれを覆う下着が透けていて目に悪い。というか、気になって仕方がない。その事を折紙が、気づいてないのか、気づいているのかと、問われれば、気づいているから、なおタチが悪い。
(・・・気まずい)
そんな事を心の中で思っていると、エレベーターが降りてきて、扉が開いた。そして、中に入り、自分達の部屋のある階のボタンを押して、閉める。目的の階に着くまでの間、エレベーター内はとても居心地悪く感じて仕方の無い暁夜。 ただでさえ、好きな人が同じ空間にいるだけで緊張するというのに、濡れ透け状態は反則である。たった数分の時間帯が暁夜にとってとても長く感じた。
目的の階に辿り着き、扉が開く。そして、自分達の暮らす部屋が見えてくる。 ただ、そこにはいつもはない光景があった。
暁夜と折紙が暮らす部屋の前で、キャリーケースを手にウロウロとする怪しげなノルディックブロンドの短髪が特徴の美少女。 細身で、か弱く見えなくもないが、何処か他者にそう感じさせない様な絶対的威圧のある雰囲気を纏っていた。
(・・・すっごい見覚えあるんだけど)
暁夜はノルディックブロンドのを短髪が特徴の美少女の姿に顔を青くする。
「顔色悪いけど、大丈夫? 暁夜」
折紙が心配そうに顔を覗き込んでくる。暁夜は、
「あ、あぁ。 大丈夫大丈夫」
そう無理矢理笑って、顔を上げた。このままここで突っ立っていても仕方がない。 暁夜は折紙に少し待つように声をかけてから、ノルディックブロンドの短髪か特徴の美少女に声をかけた。
「こんな所で何してんですか? リンレイ先輩」
その声に、ノルディックブロンドの短髪が特徴の美少女が振り返り、そして、
「久しぶりー! 暁夜君!!」
抱きついてきた。ドサッと学生鞄が手から落ち、暁夜の思考が一瞬フリーズする。髪から漂う甘い香りと手のひらサイズほどの胸が暁夜の胸でムニュンと押し潰されて、心臓が破裂しそうな程に顔が赤くなる。折紙との過剰なスキンシップで慣れていたつもりだったが、それは折紙だったからだと、暁夜は身に染みて理解した。
「・・・ん? 顔赤いけど、熱でもあるの?」
リンレイはキョトンとした顔で、真っ赤な顔をした暁夜に尋ねる。
「あ・・・いや、その」
我に返った暁夜は、違う。と口に出そうとするが思うように言葉が出ない。すると、
「んしょ、っと」
リンレイは、暁夜の額に自身の額をくっつけた。そして、しばらく、『うーん』と小さく唸
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