第2ルート:四糸乃パペット
日常
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ことも無く、余裕のあるお姉さんっぽく笑った。
『今回、君に電話したのは伝えておきたい事があったからよ』
と、次に発せられた声音は真剣なものに変わっていた。
「伝えておきたい事?」
『ええ。 これはあなたにとって重要な事よ』
「はぁ。 それで伝えたい事と言うのはなんですか?」
そう尋ねると、
『アイクの命令で、君を監視する為にASTに所属することになったわ。よろしくね、暁夜君』
リンレイはそう返して、通話を切った。切られた後、暫く思考がフリーズした。しかしそれは一瞬、我に返った暁夜は冷や汗を浮かべる。
「・・・マジか」
「誰と電話してたの? 暁夜」
「俺の元上司だった人。飴と鞭の差が激しいのが特徴かな」
「という事はまた女?」
暁夜がそう説明すると、折紙の瞳からハイライトが消えた。オマケに、背後からドス黒いやばげなオーラがダダ漏れしている。あまりの怖さに傘を落としてしまい、冷たい雨が暁夜と折紙を濡らしていく。ただ、そんなことに気を止める暇は2人にはなかった。
「名前は? 年齢は? 暁夜とはどういう関係?」
折紙が暁夜の顔をハイライトのない瞳で見つめ、ズバズバと問い詰めてくる。ズリズリと後退するたびに、詰め寄ってくるため、逃げ場がない。やがて、壁に追い込まれ、ドンと折紙に壁ドンされる。
(・・・壁ドン、怖い!?)
恋愛マンガやドラマのような壁ドンに憧れていた純心青年、暁夜は恐怖の色を顔に表しながら胸中で叫んだ。それに対し、
「答えないと、暁夜の着る服全部を女性物にする」
「・・・はな、します」
流石に罰が重すぎたため、暁夜は白状することにした。ポツポツと冷たい雨が降る中で、暁夜は正座させられ、折紙にハイライトのない瞳で見下ろされる光景は他の人から見たら、異様でしかない。
「−−というわけです。黙っていてすみません出した」
「理解した。つぎ隠し事をしたら、本当に女性物の下着に入れ替える」
瞳にハイライトが戻った折紙は、そう答えて地面に落ちている折り畳み傘を拾い、暁夜に手渡す。それを受け取り、暁夜は、
(折紙に逆らうのやめよう)
身の危険を守るために、心に決意した。
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