第2ルート:四糸乃パペット
日常
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絶望した表情で呟いた。 というのも毎度のように、ゲームを持ちかけてくる暁夜が最下位を取りまくるのだ。わかりやすく言うと、一位が士道、二位が殿町、最下位が暁夜。 因みに、暁夜は全て黒星だ。
「今回の罰ゲームは、『女装』だ」
そう言って殿町が来禅高校の女子制服を自身の鞄から取り出した。しかもご丁寧にブラと下着、ニーソックス、ウィッグにパッドも準備されている。それを平気で鞄から取り出した殿町に、暁夜と士道は思わず後ずさる。片手に携帯を握って。
「し、親友のためにも、通報した方がいいかな!?」
「待っ、待てって。 アイツにもなにか理由があるんだろ! ほら、えーと、女装が趣味とかさ!」
ガタガタと身を震わせながらそんな相談をする暁夜と士道に、殿町は軽く笑った後、
「これは暁夜が1番知っている人から支給された制服さ。 ほら」
と、制服のポケットから手紙を取り出し暁夜に投げる。それを拾い、中身を開いて書かれていることに目を通す。
『あなたにこれを託す。 by 折紙』
たった1行分しかない内容と差出人の名前に、暁夜は涙が出そうだった。
「あいつ・・・マジか」
同居人のイカレぶりに呆れてしまう。
「ほら、早く着替えてこいよ、暁夜」
「あ・・・ああ」
とてつもないほどの悲壮感を漂わせながら、暁夜は女装アイテムを手に男子トイレへと向かった。
それから数分後。
ガララっ、と二年四組の教室の扉の開く音がした。無意識に全員(殿町と士道以外)が音のした方に視線を向けると、笑いをこらえるような表情を浮かべた。というのも、教室に入ってきたのは、クラスメイトの暁夜だったからだ。
薄い少し色素の抜けた長い青髪に、紅闇色の瞳。顔立ちは童顔。 肌は白磁の陶器の如く綺麗で、スラリとした高身長。 白のカッターシャツの上からカーディガンを纏っている。そして、短めに履いたスカートと黒のニーソックスで作り出された肌の露出の黄金比も完璧だ。
そんな完璧高身長スレンダー系美少女(笑)がそこにはいた。
「ぷっ、あははは!に、似合いすぎて、腹痛い!」
「と、殿町。笑うなっ・・・ぷっ、あははは!」
元凶者の殿町と士道が笑い出したのをきっかけに、クラスメイト達が笑い始めた。しかも、
「美少女! 美少女!」
という『美少女コール』まで始まった。 当の本人である暁夜は、こめかみを引くつかせていた。これほどまでの屈辱は初めてだ。ただ、調理実習終わりの女子達がまだ帰ってきていないのが幸いか。
「はい、終わり! もう十分だろ!!」
暁夜は頭につけたウィッグを掴み外そうとすると、ガララっと先程、暁夜が入ってきた扉の開く音がした。その音に殿町達は申し訳なさそうな表情を浮かべて、視線を
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