序章が終わり
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は違う雰囲気を醸し出す親友の少年にそう言葉を返す。既に喉は乾き、身体は震えている。 きっと、声も震えてるはずだ。
「『精霊』を守るのか? 士道」
暁夜が初めて、視線を十香から士道に移した。ただ、士道に向けられた眼光は鋭かった。声音は怒りと憎悪に満ちていて、どこか悲しそうにも見えた。
「あぁ、そうだ。 俺は『精霊』を救う。例え、それでお前と対立したとしても、俺は俺なりのやり方で『精霊』を救う」
「俺なりの・・・やり方? 馬鹿な事は寝て言えよ。お前みたいな一般人に何が出来るんだ? 最近、知り合ったからって、情でも湧いたのか? この十香に」
【明星堕天】を十香の顔ギリギリまで突きつける。 その行動は普段の親友とはまるで違う。 親友の皮を被った化け物のように見えた。
「確かに数日前に出会っただけの関係だ。だけど、暁夜以上に精霊の事を知っているつもりだ」
「俺以上に、か。 で? 止めに来たってことは俺をどうにかする策があるって事か?」
暁夜の質問に、士道は首を横に振る。
「はぁ。 やっぱりお前は馬鹿だよ。・・・昔から」
暁夜は懐かしむように笑って、
「分かったよ。俺の負けだ。 士道」
暁夜はそう言って、腰に備え付けられた『擬似記憶装置』の電源を切る。すると、先程まで禍々しい程に紅色の光粒を纏っていた黒紫の片手剣【明星堕天】が徐々に小さくなっていき、そして、消失した。それに伴い、全身に刻まれた生々しい傷口がみるみる内に修復し、カサブタに変化した。切り裂いたような傷は最後まで治ることなく、少し痛々しい姿に戻った。
「・・・ふぅ」
暁夜は小さく息を吐き、耳にはめてあるインカムで通信を行う。
「こちら、暁夜。 『プリンセス』の討滅完了。 これより帰還します」
『任務お疲れ様でした。 次も期待していますね。 暁夜さん』
「適当に頑張るよ〜」
『では、また後ほど』
その言葉を最後に通信が切れ、暁夜は大きく伸びをした。そして、半壊した《アロンダイト》を地面から引き抜き、鞘に納める。
「そんじゃまた明日、学校でな」
「は? おまえ・・・なにいって−−」
「なにって。言葉の通りだけど。 精霊は討滅完了しただろ?」
暁夜がそう告げて、横たわる十香を顎で指す。
「言ってなかったけど、さっきの黒紫の剣な。 精霊の力を三分間だけ封じ込める力があるんだ。だから、お前ら、《ラタトスク》のやり方で十香を救えよ。出来るんだろ? 精霊を殺さずに精霊を救う方法。 じゃなきゃこんな所にお前が来るわけないしな」
そう言葉を残して、暁
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ