序章が終わり
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、あなたならその方法をもう知っているはずよ」
「−−−や、やっぱ、アレしかないのか」
「ええ、アレしかないわ。まぁ、あんたのサポートは私達全員に任せな−−」
「し、司令・・・ッ!? も、モニターを!」
突如、琴里の声を遮って、クルーの一人が狼狽した声を上げた。その声に一旦、士道との話を中断し、琴里はクルーの言った通りにモニターに視線を向けると、そこには信じられない光景が映し出されていた。
白のシャツに紺色のジーンズを身につけていたはずの暁夜の全身から赤黒い血が噴出し、その血が吸収されていくように黒紫の片手剣の刀身へと収束されては、絶対的力を持つ精霊『十香』が圧されていた。否、圧倒的な差で十香が負けていた。
そして−−続けざまにそれは起こった。
『じゃあ、どうすればよかったのだ! どこで私は選択肢を間違えた!? 知っているなら教えろ! 崇宮暁夜!!』
モニタ越しで暁夜に叫んでいる十香。 それに対し、暁夜はどこか悲しげな表情を浮かべて、
『−−間違えた? あぁ、そうだな。間違ってるよ。生まれた時点で間違えなんだ。この世にいちゃいけない存在なんだよ。お前も・・・俺も。 だから−−』
と、呟いて、同時に十香の攻撃を避け、黒紫の片手剣を握る手に力を込め、
『−−死んでくれ』
その言葉を最後に、容赦も躊躇いもなく、十香目掛けて振り下ろされ、その刃は紙切れを裂くように、精霊の霊装を破壊した。それと共に、十香の胸から赤い血が噴出し、先程まで妖しく輝いていた闇色の長大な剣が光を失い霧散し、身体中を纏う紫色の霊装が光の粒となりながら徐々に消えていき、落下していく。 クレーターと化した台地に。
その光景に誰もが驚愕した。たったの一人の人間がCRユニット無しで精霊を致命傷まで追い詰めた事実に。
「・・・は? あ、あいつ何して・・・ッ。 琴里!! 今すぐ俺をあの二人の元に転送してくれ!!」
「だ、ダメよ。今、士道が向かっても怪我するのは目に見えてるわ」
「その為に、あの炎があるんだろ。だから転送してくれ、琴里」
珍しく司令官モードの琴里が不安げな顔をして、士道を制止する。 それに対し、士道はそう言い返して、
「安心しろって。 お兄ちゃんは必ず帰ってくるから」
そう琴里に向けて笑った。
「司令・・・ッ!! このままでは・・・暁夜君に十香ちゃんが殺されてしまいます!」
クルーがそう叫び、琴里はギリっと歯を噛み締め、渋々といった表情で、
「<フラクシナス>旋回!戦闘ポイントに移動!誤差は1メートル以内に収めなさい!」
どこかやけくそ気味な声で、クルー達に指示を仰いだ。その指示に反応し、操舵手と思しきクルー数名が操作を開始する。 次いで、重苦しい音と共に
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