半精霊:明星堕天(ルシフェル)
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ぉ熱っちゃぁぁぁッ!?』
と、未だ背中に燻っていた火を見て、跳ね起きた。慌てた様子でバンバンと背中を叩き、火を消し止める。
『て−−あ、あれ? 俺・・・なんで』
艦橋内が、騒然とする。
「な、し、司令、これは−−」
「言ったでしょ。 士道は一回くらい死んだって、すぐニューゲームできるって」
琴里は唇を舐めながら、部下に返した。 クルー達は一斉に訝しげな視線を向けてきたが、無視しておく。
「すぐ回収して。 −−彼女を止められるのは士道だけよ。 それと神無月」
「はっ! お呼びですか? 司令」
「ええ。 あなたには他の事を任せるわ」
琴里はそう言って、キャンディの棒を神無月に突きつけるような仕草をして、ニヤリと笑った。
?
暴走した精霊『十香』を覆うように漂う濃霧。それは暁夜が形成した『幻覚の霧』。 十香だけに見える幻霧。その為、上空から突撃してくる燎子及びAST隊員達には暁夜と折紙の現在地が何処か確認することが出来た。
精霊『十香』の背後にある草木に身を隠し、息と気配を殺した暁夜と折紙の姿を。ただ、暁夜の方は白のシャツが真っ赤に染まっており、彼の専用武器である《アロンダイト》が半壊していた。対する折紙の方もCRユニットが故障し、ワイヤリングスーツの所々が破れていた。互いに危険な状況。 ふと、暁夜の視線と燎子の視線が合わさる。それを確認した暁夜は、指の動きで何かを伝えてくる。 燎子は即座に何を伝えたいのかを理解し、全AST隊員を手で制止させた。 そして、暁夜の伝えてきた指の動きを真似てAST隊員達に伝達する。それを理解したAST隊員達は、《ノーペイン》を納め、顕現装置無しの普通の銃火器類を構えた。そして燎子自身も銃火器を構え、
「全員、一斉射撃!!」
「「了解!!」」
大声に対して大声で返して、燎子とAST隊員達は銃火器類の引き金を引いた。目標は『プリンセス』。 しかし、人を容易く貫く弾丸は精霊の前では無力。弾丸は精霊の体に触れることなく、見えない障壁に当たっては金属音をあげて弾かれていく。だが、それでいい。狙いは『精霊』を倒すことではなく、気をこちらに一瞬、向かせること。その一瞬の時間は約一秒にも満たないかもしれない。無駄な足掻きだと理解しても引き金を引く指は止まらない。仲間を信じているからこそ、彼女達は引き金を引き続ける。やがて、弾かれた弾丸が木々を貫き、床を抉り、砂煙が舞う中、それを払うかのように、『プリンセス』を中心に激風が生まれた。 その風は全ての砂煙を吹き飛ばし、光の灯らぬ瞳が上空の燎子とAST隊員達に向けられた。その瞳に身がすくみ引き金を添えた指が止まった。その瞬間、『プリンセス』の姿が燎子とAS
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