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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
届かなかった手
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が話しやすくて私的には助かります』

「オペレーターちゃんも力抜いたら〜?そんな堅苦しいマニュアル通りの話し方は似合わないよ〜」

暁夜はスコープ越しから見える十香と士道の様子をしっかりと確認しながら、返答を返す。

『そうしたいのも山々なのですが、これも規則ですので。所で・・・そろそろ話を進めてもよろしいですか? 暁夜さん』

「どうぞどうぞ、先に進めて〜」

『・・・では。 先程、協議会が終わりました。結果は、精霊討滅の許可。これにより、全AST隊員は武装の使用が許可となりました。あなた風に言うなら、精霊をぶっ殺してOKという事です』

「了解。 これよりASTは精霊の討滅を開始する」

暁夜はその言葉を最後に通信を切った。そして、《クライ・クライ・クライ》のスコープから目を離し、燎子と折紙に指示を仰ぐ。

「燎子さんは上空で待機中のAST隊員に合流し、折紙と俺の援護をお願いします。 それと折紙はここで、《クライ・クライ・クライ(こいつ)》を使って狙撃。 因みに、俺が合図するまで狙撃はしないこと」

「分かった」

「どうやら許可が降りたのね。 分かったわ、ここはアンタに任せるわ」

暁夜の指示に、折紙と燎子は了承し、それぞれの持ち場に動いていく。それを確認した後、ついでにと燎子との通話の際に持ってきてもらうようお願いをした双眼鏡を目に当て、士道と十香の様子を確認しながら、狙撃のタイミングを見計らい始めた。

?

夕日に染まった高台の公園には今、士道と十香以外の人影は見受けられなかった。時折遠くから自動車の音や、カラスの鳴き声が聞こえてくるだけの、静かな空間。
 
「おお、絶景だな!」
 
 十香は先ほどから、落下防止用の柵から身を乗り出しながら、黄昏色の天宮の街並みを眺めている。 <フラクシナス>クルー達が巧妙(?)に誘導するルートを辿ってきたところ、丁度日が傾きかけた頃に、この見晴らしのいい公園に辿り着いたのである。
 
士道も、ここに来るのは初めてではない。というか、密かなお気に入りの場所でもあった。終着点にここを選んだのは・・・まあ、きっと琴里だろう。

「シドー!あれはどう変形するのだ!?」
 
 十香が遠くを走る電車を指差し、目を輝かせながら言ってくる。

「残念ながら電車は変形しない」
 
「何、合体タイプか?」
 
「まあ、連結くらいはするな」
 
「おお」
 
 十香は妙に納得した調子で頷くと、くるりと身体を回転させ、手すりに体重を預けながら士道に向き直った。夕焼けを背景に佇む十香は、それはそれは美しくて、まるで一枚の絵画のようだった。
 
「―――それにしても」
 
 十香が話題を変えるように、んー、と伸びをした。そして、にぃッ、と
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