デート開始!
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がら、士道は<フラクシナス>に回収された。その不可思議な現象を視界の端に捉えながら、暁夜は《アロンダイト》の上にのしかかる<鏖殺公>を打ち上げるために、右腕に力を込め、唸るような咆哮をあげた。
「−−っらあぁぁぁぁ!」
「−−甘い」
静かな声が聞こえた瞬間、重力に押し潰されるような衝撃が右腕を襲った。 ミシミシと骨の軋む音が鳴り、気を抜けば折れかねない。 暁夜は小さく舌打ちをし、十香の鳩尾に蹴りを叩き込む。カツンと鉄を蹴った感触を足に感じながら、距離を取った。
「・・・っぶねぇ」
荒い息を吐き、額から汗が流れる。ポタポタと床に一滴一滴と鼻筋を伝い落ちていく。 右腕は先程の鍔迫り合いの際に動かなくなりダラんとした状態。《アロンダイト》は床に落ちたまま。 それでも鋭い目を十香に向けて放つ。
「ふん。 これで終わりだ」
十香は<鏖殺公>を消失させ、告げる。
「はぁ・・・はぁ。 今度こそ殺してやるよ、『プリンセス』」
「あぁ、楽しみにしている。それと私の名は十香だ。 崇宮暁夜」
その言葉を残した後、十香は光の粒子となり、消失《ロスト》した。その幻想的な光景を眺めながら、暁夜は崩れた天井を見上げ、
「十香・・・か」
先程光の粒子と化し消失した『プリンセス』が名乗った名前を呟いた。それ同時に、ポケットにしまっていた携帯が震える。誰からだ?と携帯を取り出し、表示されている名前を確認する。
「エレン?」
そこには、『ポンコツちゃん』と表示されていた。『ポンコツちゃん』とは、アイクの秘書であるエレン・M・メイザースの渾名だ。因みに『ポンコツちゃん』と名付けたのは暁夜であり、そう呼ぶのは暁夜ただ一人だけである。とりあえず、と画面をスライドし、耳に寄せ、口を開く。
「どったのー? ポンコツちゃん♪」
『だ、誰がポンコツですか! 上司に向かって何たる態度を!あなたは昔から生意気でお調子者で楽観的で何度私を怒らせれ−−ゴホンッ。まぁ、いいでしょう。それよりもアイクからの言伝です』
若い女性の声がスピーカー越しから響いた。
「アイクから? また任務か?」
『いえ、今回は任務ではありません。今回の件は貴方が彼に依頼した事の途中結果です』
スピーカー越しから紙を捲る音が微かに聞こえる。
「途中結果って事は、真那の手がかりとか分かったのか!?」
『ええ。 と言っても、多少ですが』
「多少でも構わない。 教えてくれ」
『崇宮真那の居場所ですが、天宮市にいます。恐らく、あなたの通う学校からそこまで遠くはないはずとの事です』
エレンは紙を捲り告げる。 恐らく、アイクが纏めた書類に目を通しながら読んでいるのだろ
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