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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
デートの誘い
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しない」

「そ、そういうものか………?」

士道が頬を掻きながら言うと、十香は「そうだ」と言わんばかりに息を吐いて腕組みした。

「そういうものだ。突然この世に生まれ、その瞬間にはもう空にメカメカ団が舞っていた」

「め、メカメカ団・・・?」

「あのびゅんびゅん煩い人間達のことだ」

どうやらASTのことらしい。士道は思わず苦笑した。

次いでインカムから、クイズに正解した時のような、軽快な電子音が鳴った。
 
『!チャンスよ、士道』
 
「は・・・?何がだ?」

士道は訳分からない声を出す。
 
『精霊の機嫌メーターが70を超えたわ。一歩踏み込むなら今よ』
 
「踏み込むって・・・何すりゃいいんだ?」
 
『んー、そうね。取り敢えず・・・デートにでも誘ってみれば?』

「はぁ………!?」

予想していなかった琴里の言葉に、士道は思わず大声を上げた。

「ん、どうしたシドー」
 
 士道の声に反応して、十香が目を向けてくる。
 
「ッ―――!や、気にしないでくれ」
 
「……………」
 
 慌てて取り繕うも、十香はジトッとした訝しげな目で士道を見つめてきた。

『誘っちゃいなさいよ。やっぱ親密上げるためには一気にこう、さ』

「・・・んな事言われても、出てきたとしてもASTが−−」

『そんなの何処か大きな建造物に隠れてもらえばいいんじゃない。水族館でも映画館でもなんでもいいわ。 ASTだってそんな所に入ることは叶わないわ。ただ、暁夜は別だけど』

「なら、結局ダメじゃねえか」

「さっきから何をブツブツ言っている。・・・!やはり私を殺す算段を!?」

「ち、違う違う!誤解だ!」

視線を鋭くし、指先に光球を出現させた十香を、士道は慌てて制止する。 まじで警戒モードの十香。 ここで機嫌を損ねれば、振り出しに戻る。それだけはできない。 折角、お話しタイムの邪魔をする人がいないのだ。それに早くしなければ、暁夜が戻ってきてしまう。彼が帰ってきたら、十香が一気に不機嫌になるのは確実だ。

「なら言え。今何と言っていた」
 
「ぐぬ・・・」

士道が頬に汗を滲ませながら呻くと、囃し立てるかのような声がインカムに響いてきた。

『暁夜の事はこちらで何とかるするから、観念しなさいよ。 デートっ! デートっ!』

そこで艦橋内のクルーを煽動でもしたのだろう、インカムの向こうから、遠雷のようなデートコールが聞こえてくる。 ある意味、拷問だ。士道にとってデートというのは縁遠いものだ。これまで付き合ってきた異性はおらず、惚れた異性もいない。いつの間にか、殿町とラブなのでは?という根も葉もない噂が広がるほどに異性に縁のない生活を士道は送ってきた。そ
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