デートの誘い
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」
仕方ない。と暁夜は溜息をつき、折紙にそう提案を持ちかける。それに対し、折紙は一瞬、頬をぴくりと動かし、ずいっと顔を寄せてきた。
「嘘ではない?」
「あ、あぁ。 俺がお前との約束を破った事があるか?」
「・・・ある。去年の冬は私とクリスマスを過ごすって言ったのに、どこぞの女と食事をしていた」
「−−確かに破ったことありましたねっ!? でもあれはノーカンでしょ!? アイクの指示やら今後の方針やらをエレンと話してただけで、プライベートな食事ではないって、説明したじゃん!!」
暁夜は悲痛にも似た大声をあげた。折紙のいう去年のクリスマス。 その日は、朝からクリスマスを折紙と過ごすの最高と喜んで一日を過ごし、いざクリスマスプレゼントを買いに行こうと家を出た所で、エレン・M・メイザースから電話が来て、近場の個室ありの料理店に来るよう言われ、アイクからの言伝や方針の件だと聞いて、向かった為、結局、折紙とクリスマスを過ごすことが出来ず、一週間ほど話しかけてくれなかった。
「じゃ、また後でな」
「気をつけて」
「あぁ、気をつける」
暁夜は折紙の言葉を背に受け、歩き始めた。その背を見送って、折紙は随意領域を展開したままで、校舎を飛び出し、燎子達の元へと合流しに向かった。
?
銃弾が吹き荒れる二年四組の教室。十香の展開する不可思議な障壁に守られながら、士道はお話しタイムに耽っていた。視界をチラッと十香の後ろに向けると、ASTの人間達が銃口を未だにコチラに向けているのが分かる。怖くないといえば嘘になる。それでも士道は十香を助けたい。救いたい。既に会話を始めてから数分ほど経っている。内容は至って普通の日常会話のようなものだ。この世界には美味しい食べ物があるやら、学校のことや自分の事。他にも、十香が誰にも質問できなかった疑問に士道が答える等だ。気づけば、十香にも微かだが口元に微笑が浮かんでいるのが目に見てとれた。そして、どれくらいか話した頃、耳に嵌めたインカムから、琴里の声が聞こえてきた。
『―――数値が安定してきたわ。もし可能だったら、士道からも質問をしてみてちょうだい。精霊の情報が欲しいわ』
その言葉に、少し考え込んで、士道は口を開いた。
「なぁ、−−−十香」
「なんだ?」
微かに口元に浮かんでいた微笑が消え、十香は少し警戒した表情で首を傾げる。
「おまえって・・・結局どういう存在なんだ?」
「む?」
士道の質問に十香は眉を顰める。
「知らん」
「知らん、て………」
「事実なのだ。仕方ないだろう。―――どれくらい前だったか。 私は急にそこに芽生えた。それだけだ。記憶は歪で曖昧。自分がどういう存在なのかなど、知りは
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