暁 〜小説投稿サイト〜
デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
対話
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ーターの藍鳴です。 いかが致しましたか? 暁夜さん』

「いかが致しましたか?じゃねえよ。なんで、迎撃を開始した? 先程、人質が一名と報告したはずだが?」

苛立ちのこもった声で、オペレーターに尋ねる。だがそれに対し、

『申し訳ございません。 報告は入っていましたが、上の方から、今すぐ迎撃しろとの事でしたので』

冷静沈着な声音でオペレーターは答える。

「つくづく思ってたが、オペレーターちゃんはお偉いさんの命令には従順だな」

『ええ、軍の人間として当たり前のことです。暁夜さんの場合は仕事に私情を持ち込みすぎなのでは?』

「−−っ」

オペレーターの言葉にぐうの音も出ない。確かに『軍人たるもの戦争に私情を持ち込むべからず』というのが、当たり前だ。動物一匹、建物一つ、人一人。 犠牲が一つなら、関係ない。犠牲を最小限にする事が《AST》の仕事で、市民全員を救う事が《AST》の役目ではない。

「−−」

暁夜は下唇を噛み締める。痛みが生じ、皮が裂け、一筋の血が口元を伝い、床に落ちる。命令違反を起こせば、軍はクビになる。それは『精霊』を殺す事が出来なくなるという事だ。本来、暁夜は半精霊に属すが、《アロンダイト》とセットにすることで初めて力を発揮する。《アロンダイト》がなければ、数秒も保ずに死に至る。多少は精霊として力を発揮出るが、それは半分だ。 半分の力では、精霊に属する存在には勝つことは不可能。

暁夜が打開策を考える間にも、ガガガガガガガッ、と二年四組の教室付近の壁を弾丸が貫く音が響く。 このままでは、士道が死んでしまう。それだけはなってはならない。

「なぁ、オペレーターちゃん」

『はい、何でしょうか?』

「万が一、俺が命令違反を今から起こすって言ったら、止めるか?」

『−−いいえ、止めません。 あなたがしたいようにすればよろしいかと思います』

オペレーターの返答に、暁夜は、やっぱりな。という息を吐き、随意領域(テリトリー)を解除する。 それにより無重力の空間が消え、全身が重りを身につけたかのように重くなる。先程まで緩和され忘れかけていた痛みが全身を襲う。気を抜けば一瞬にして、意識を失ってしまいそうだ。

「・・・っ」

ズキズキと痛む頭を片手で押さえながら、もう片方の手で壁に触れ、二年四組の教室まで戻り始めた。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ