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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
対話
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『お、俺は−−』

士道が名乗りをあげる瞬間、画面が明滅し、艦橋にサイレンが鳴り響いた。

「こ、これは!?」

そのサイレン音と画面状況に、《フラクシナス》のクルーの一人が狼狽した声を上げる。それと同時に、明滅していた画面中央にウィンドウが出現する。

@「俺は士道。五河士道。君を救いにきた!」
 
A「と、通りすがりの一般人です。 やめて殺さないで」
 
B「人に名を訊ねる時は自分から名乗れ」

C「誰が教えるかよ、バーカ」

それは、恋愛ゲームによくある今後の展開を左右するセーブ不可避のターニングポイント。

要するに選択肢だ。

少しの選択ミスでバッドエンド直行ルートの恐れもあるロード不可避の運命の分かれ道。ゲームであれば、セーブ&ロードも可能だが、人生にセーブ&ロードは存在しない。言葉や行動が一度失敗すれは、それは一生、人生の汚点として残り続ける。死にたいほどの恥も失敗も。

「選択肢−−っ」

司令席に座る五河琴里は、チ○ッパチ○プスの棒をピンと立てた。

令音の操作する解析用顕現装置(リアライザ)と連動した<フラクシナス>のAIが、精霊の心拍や微弱な脳波などの変化を観測し、瞬時に対応パターンを画面に表示したのだ。

これが表示されるのは、精霊の精神状態が不安定である時に限られる。つまり、正しい対応をすれば精霊に取り入ることが出来る。だがもし間違えれば―――

 琴里はすぐさまマイクを口に近づけると、返事をしかけていた士道に制止をかけた。

「待ちなさい」

『―――っ?』

士道の息を詰まらせるような音が、スピーカーから聞こえてくる。恐らく、なぜ制止させられたのか理解出来ていないのだ。それは仕方ないことだ。なぜなら、士道側から選択肢は見えない。

「これだと思う選択肢を選びなさい!5秒以内!」

琴里は即座にクルー達にそう指示する。その指示に瞬時、各自手元のコンソールを操作し、これだと思う選択肢を選び取る。 その結果は自動的に、司令官である琴里のコンソールに表示された。 そのなかで最も多いのは−−B番。

「―――みんな私と同意見みたいね」

琴里がそう言うと、クルー達は一斉に頷いた。

「@番は一見王道に見えますが、向こうがこちらを敵と疑っているこの場で言っても胡散臭いだけでしょう。それに少々鼻につく」
 
 直立不動のまま、神無月が言ってくる。

「・・・C番は論外だね。ログに暁夜()が発言した後、とてつもなく彼女が不機嫌になったデータを確認した。 その状況下で再び挑発すれば、シンは終わり。 勿論、A番も同じだ」

次いで、艦橋下段から令音が声を発してきた。

「そうね。その点B番は理に適っている
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