再び
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折紙の口から呪詛のように垂れ流されていく暁夜の女事情(いかがわしい意味ではない)。その度に、折紙の背後からドス黒いオーラが大きくなり、瞳から光が消えていく。暁夜は悲鳴にも似た声でヤンデレ化していく折紙をおしとどめる。少しだけ、アニメでよく見るハーレム系主人公の気持ちが理解出来た。
「話して」
「さっき、物理の授業があっただろ? その授業のプリントを提出しに行くだけだ」
「そう。 でも、なぜ最初からそう言わなかったの? 隠すようなことではないはず」
「・・・いや、その」
視線をさまよわせながら、折紙の鋭い質問への適切な答えを導き出すために思考をフル回転させて考える。と言っても、答えが出ることはない。 どれだけ考えたところで答えなんてものは導き出されない。例え、嘘をついた所で折紙にはすぐにバレる。逆に真実を伝えれば、《ラタトスク》や士道の秘密がバレてしまう。どうすれば、と答えあぐねていると、ガララッと扉が開き、士道を呼んだはずの令音が教室に入ってきた。
「・・・おや? 確か、君は・・・さんたろう、だったかな?」
「暁夜です。 『さ』しかあってませんよ、村雨先生」
令音の勘違いを適切に訂正しながら、暁夜は溜息をつく。
「・・・君を探していたんだ、暁夜」
「俺を・・・ですか?」
「あぁ、そうだ。 すまないが、彼を借りていってもいいかな? えーと・・・」
「鳶一折紙。 私の名前。 先生の呼び出しなら構わない」
折紙は少し渋々と言った感じで答えて、鞄を手に教室を出ていった。 とりあえず助けてもらえた暁夜は軽くお礼だけしておき、本題に入ることにする。
「それで? 俺に用ってのは?」
「その話は後でしよう。 とりあえず、ついてきたまえ」
「もし、断ったら?」
「・・・そうだねえ。 君の黒歴史ノートをこの学園の生徒の下駄箱に入れるというのはどうかな?」
令音は少し考えた後、そう提案する。それに対し、暁夜は鼻でフッと笑い、
「残念だが、俺に黒歴史ノートは存在しない! ましてや、誰かに見せて恥ずかしいものなんて俺にはない!」
「ふむ。 では、先程の・・・折紙と言ったかな? あの娘に、君が浮気をしていたと伝えておこうか?」
「−−それだけは勘弁してください! 先程は調子に乗って申し訳ありませんでしたっ!!」
挑発じみた態度から一変、見事なまでの土下座を恥ずかしげもなく披露する暁夜。 ましてや、教室で先生に対して。 他の生徒や教師が見たら、ドン引きだ。
「では、行こうか」
「わかりました」
令音は暁夜の土下座を気にすることもなく、というか何も無かったかのように華麗にスルーを決め込む。 暁夜はのたのたと歩いていく令音のペースに合わせながら
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