暁 〜小説投稿サイト〜
デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
再び
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ホッと安堵し、小さく言葉を漏らす。まだ真那かはわからないが、生きているかもしれないと思えたら、心に突っかかっていた何かが消えた感覚になれた。暁夜はすぐに、携帯を操作し、とある人物に電話をかける。着信メロディが暫くなり、

『どうしたんだい?君から電話をかけてくるなんて珍しいじゃないか。暁夜』

若い男の声が電話越しから聞こえてきた。

「あぁ、久しぶり。 いきなりで悪いがちょっとお願いしたいことがあってな」

『お願い? あぁ、構わないとも。 君にはよく助けられているからね。 聞いたよ、また精霊を撃退したんだってね?』

「悪いが、その話はまた今度。 後でメールに添付しておくから、早めに頼むぞ。 アイク」

『任せたまえ。 我が友よ』

その言葉を最後に、通話が切れる。それを確認した後、メールを開き、先程見た事故現場の画像を添付し、電話相手の携帯に送信する。送信中のマークが消え、メールを閉じ、液晶画面を消した携帯をポケットにしまい込む。そのタイミングで、五限目の担当教師が教室に入ってくる。今日の五限目は物理だ。

無造作に纏められた髪に、分厚い隈に飾られた目、あとは白衣の胸ポケットに傷だらけのクマの縫いぐるみを入れた姿の女性、村雨令音。 今日から二年四組の副担及び物理担当になった新しい女教師だ。だが、本当の彼女は、五河琴里と同じく《ラタトスク》のメンバーである。それを知る暁夜と士道は、HR(ホームルーム)時に思わず大声を出しかけたものだ。

「・・・初めてで何かと迷惑をかけるかもしれないが、よろしく頼む。とりあえず、教科書を開いてくれ」

令音は眠たそうなぼうっーとした声で、教科書を開くよう指示する。

(・・・あの人、大丈夫なのか?)

呆れた表情で、暁夜はそう告げた。

?

放課後。 村雨令音の初授業はグダグダな感じで終わりを迎えた。 もちろん、六時間目のタマちゃん先生の授業も大して変わらなかった。暁夜はクラスメイトや他クラスの生徒達が談笑しながら帰路につく光景を退屈そうに眺めていた。ぞろぞろと生徒達がいなくなっていき、二年四組の教室に残ったのは、暁夜と折紙だけとなった。 士道は先生に呼ばれて、少し前に教室を出ている。

「あー、折紙」

「なに?」

隣の席に座る折紙が首を傾げる。

「ちょっと悪いんだけど、先に帰っててくれるか?」

「・・・また女?」

「違ぇよ!? てか、またってなんだよ! またって!!」

「昨日は五河士道の妹と会っていた。その前は日下部隊長と。その前の前も他のAST隊員と。その前の前の前も−−」

「うん! 悪かった! ちゃんと説明するから、やめてくれる? それ以上、そんなドス黒い怖いオーラ出さないでくれますぅ!?」


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