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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
無抵抗タイム
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ばかりが、暁夜の心を占め、やがてその後悔は醜くドス黒い憎悪に変貌した。

『−−−』が、いるから−−

『精霊』が、いるから−−

いつからか、憎悪の対象が『−−』という個体から、『精霊』と呼ばれる全体に向けられるようになった。 それがいつなのか今となってはどうでもいい事。結局、遅かれ早かれ暁夜の憎悪は『精霊』に向けられるからだ。そんな事を考えている間に、いつの間にか高級マンションのとある一室の扉前に辿り着いていた。

「・・・辛気臭いのはここまでだな」

暁夜はそう告げ、頭を切り替える。そして、正面に取り付けられた暗証番号を入れる機械に番号を入力する。 4桁の番号を入力し終えると、ピッ、と電子音がなり、扉の開く音が鳴った。ドアノブを回し、中に入ると、スリッパを履き、メイド服を身に纏った同居人の折紙が立っていた。少し怒っているように感じるのは、長く住んでいた事で身につけた賜物だろう。折紙はあまり表情を変えたりしない。無表情率が高い。その為、『ウ○ーリーを探せ』並みに難易度が高い。いや、それ以上かもしれない。

「ただいま、折紙」

「おかえりなさい、暁夜」

「夕飯ってもう出来てる?」

「ええ、とっくに。それよりも暁夜の服から別の女の匂いがする」

暁夜が靴を脱ぎながら尋ねると、メイド服姿の折紙が、スンスン、と鼻を鳴らして言った。ドラマでよく見る浮気疑惑の展開。男からしたら、女の嗅覚どうなってんの!?って度肝を抜かれる場面。 ただ、折紙の場合は確実に当てる。これは、暁夜の経験則だ。何度、仕事関係で異性と食事や会議をしているのがバレた事か。驚きを通り越して、恐ろしい。 その為、暁夜は彼女に対して嘘をついたり、はぐらかしたりはしないようにしている。ただ、多少は端折っているが。

「学校に忘れもん取りに行った帰りに、士道と妹の琴里に会ったんだ。 それで少し話してたら、遅れたって理由(わけ)

「そう。 五河士道の妹なら大丈夫。 でも、私からの電話に気づかないのはおかしい」

折紙は一瞬納得しかけたが、一番の疑問点に気づく。確かに、会話の際中でも、電話やメールに気づくことは出来る。どれだけ熱中に会話した所で、ポケットに入れた携帯が振動又はメロディが鳴れば気づくのが当たり前。 気づかない方が稀だろう。今回は後者だ。 ただ、その理由を言うことは出来ない。恐らくあの船の事や琴里の事、士道の事は極秘情報の筈だ。それに口外していいと許可も出ていない以上、他の人間に教えることは不可能。例え、同居人でも同じだ。

「結構、話が盛り上がってさぁ。 電話に気づかなかったんだ。 今度からは気をつけるから、許してくれ」

両手を合わせて懇願する。対して、折紙は少しだけ表情を緩ませ、

「分かった。 その代わりに、今日
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