誘い
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せた言葉が滝の如く吐き出されていく。
「・・・あぁ、そうだ。 暁夜が俺を心配してくれるのはありがたいと思ってる。 でも、俺はあの子を助けたいんだ!例え、それで死んだとしても、それよりも助けれなかったことの方が死ぬことより辛い!でも最も辛いのは、お前が・・・親友が!その手で、あの子を殺す事なんだよ!!」
士道は自身の胸倉に伸びている暁夜の腕を掴んで、そう叫んだ。その言葉は、暁夜にとっては重く心にのしかかるものだ。あの時の末路はもう見たくない。それでも、士道は、何があっても精霊を救うと宣言した。
「・・・ッ。 好きにしろ」
暁夜は舌打ちし、椅子に座る。そして、視線だけを琴里に向け、話の続きを促す。
「怒り心頭なところ悪いけど、安心なさい。士道は特別なのよ。そうそう簡単に死んだりしないわ」
「その根拠は?」
鋭い刃のように目を細め睨む。しかし琴里は不敵に笑うと、肩をすくめる仕草をして見せてきた。
「まぁ、理由はそのうち分かるわ。 それよりも士道がどのようにして精霊を救うかの点を説明するわ」
琴里はそう言って一度を間を開ける。
「−−精霊との対話よ」
「対話? それならいつも俺がしてる事だが?」
「残念だけど、貴方がやっている対話とは別のやり方よ」
「・・・俺とは違う対話?」
言うと、琴里は小さく笑みを浮かべた。
「それはね」
そして顎に手を置き、
「精霊に−−恋をさせるの」
ふふんと得意げに、そう言った。
・・・・・・。
しばしの間のあと。
「・・・・は?」
どんな言葉が返ってくるのかと思えば、お巫山戯も甚だしいクソみたいな内容に暁夜は苛立ちのこもった瞳で琴里を見る。
「それが精霊を殺さずに救う方法って事か?」
「ええ、そうよ。ただ、貴方が思っているように、士道じゃなくてもいいのでは?という考えは否定させてもらうわ。 何故なら、この方法は士道にしかできないことだからよ」
「−−話はなんとなく理解したが、なぜ俺をここに呼んだ?」
「決まってるでしょ。 貴方にも私達を手伝って欲しいのよ」
琴里は真剣な眼差しで暁夜を見る。暁夜は椅子から立ち上がって、口を開いた。
「悪いが、お断りだ。 俺は精霊を救わない。誰がなんと言おうと、『精霊』を全員殺す。例え、それで親友やこれまで培ってきたいろんな人達との関係が消えるとしても、俺はやめない。お前も言ってただろ。 助けれなかったら後悔するって。 だから、俺はアイツらを殺す」
悪いな、と最後に士道に謝って、悲しげに微笑んだ。
「そういう訳だから、帰してくれないか? 同居人が待ってるんだ」
「そう、残念。貴方ほどの戦力がいれば、もう少し楽に精
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