暁 〜小説投稿サイト〜
デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
誘い
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
お連れしました」

金髪に長身の男性が声をかけると、こちらに背を向けていた艦長席が、低いうなりを上げながらゆっくりと回転した。

そして。

「ご苦労。 もう下がっていいわよ、神無月。 そして−−」

『司令』なんて呼ばれるには少々可愛らしすぎる声を響かせながら、真紅の軍服を肩掛けにした少女の姿が明らかになった。

大きな黒いリボンで二つ二括られた髪。小柄な体躯。どんぐりみたいな丸っこい目。 そして口にくわえたチ○ッパチ○プス。

「歓迎するわ。 ようこそ、《ラタトスク》へ」

と、可愛らしい少女が不敵に笑った。

「おいおい。 冗談はよせよ。なんでこんな所に、士道の妹がいんだよ」

暁夜は無駄に大仰なリアクションをとった。それに対し、『司令』と呼ばれた少女は、チ○ッパチ○プスの棒を口から抜いて、笑った。

「へぇ、よく覚えてたわね。 改めて自己紹介といきましょうか。私はここの司令官、五河琴里よ」

「はぁん。 要するに、司令官ごっこって所か? そんな事のためだけに俺は拉致られたと? アンタらのお遊びに」

不機嫌な表情を浮かべ、暁夜は後頭部を掻く。しばしの沈黙。その沈黙を破ったのは、暁夜ではなく琴里だ。

「ふぅん。お遊びねぇ。 逆にあなたに聞きたいのだけれど、こんな手のかかるごっこ遊びがあるかしら? 」

「−−まぁ、そうだろうな。 で? 俺に用ってのは?」

分かってましたよ、と手のひらをブラブラと振る暁夜。

「ありがとう。 じゃあまずは−−精霊の事について知ってる?」

「知ってるぜ。 恐らく、あんたら以上に。 けど、悪いな。 その件については、お偉いさんに口止めされてんだ。 ほかの質問にしてくれると助かる」

口元に人差し指を当てて、暁夜はウインクする。それに対して、琴里は苛立ちを募らせていく。

「じゃあ次の質問。 貴方は、何者?」

「何者・・・かぁ。 そんなの決まってんだろ。 一般市民様だよ」

大きな欠伸を噛み殺して、適当に答える。

「これが最後の質問よ。 貴方はなぜ、CRユニット無しで精霊と互角に戦えるの?」

この情報こそが琴里の知りたい事なのだろう。暁夜はその考えを見透かし、適当にはぐらかす事にした。

「あれだ、あれ。まぁ、人には色々あんだよ。 色々な」

緊張感もクソもない態度の暁夜。 琴里は我慢の限界だと言わんばかりに、

ダン!

と床を靴底で叩いた。半端ないほどにご立腹である。

「おいおい、拉致られた俺が言うことじゃないと思うんだけどさぁー。人様にあれこれ質問するよりも先にアンタらの事や『ラタトスク』について説明しろよ。 それ次第では、答えてやるよ。 琴里ちゃん♪」

そう告げてヘラっと笑う暁夜
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ