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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
誘い
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来たとはいえ、憎悪が消えることはない。暁夜は教室の扉を開け、中へと入る。少しだけグチャっとなっている教室を見渡し、後ろのロッカーから忘れ物の財布と鍵を取り出し、懐にしまう。

「よし、帰るか」

暁夜は大きく欠伸をした後、教室を出て、廊下を歩き、階段を降り、下駄箱で、室内シューズから靴に履き替えていると、

「いきなりすみません。 崇宮暁夜さんですね?」

「人に名前を聞く前にアンタらが先に言えよ。常識だろ?」

「申し訳ありません。ここではなんですので、場所を移させてもらってもよろしいでしょうか?」

「ここで名乗れよ。 見ず知らずのアンタらの言葉に、はいそうですか、なんて言うわけねえだろ。それでも名乗らないってんなら、警察でも呼ぶか?」

暁夜は、黒い服を着た巨漢二人の真ん中に立つ金髪の男性に、携帯をチラつかせながら煽る。金髪の男性は小さく溜息をつくと、

「では、少々手荒ですがお許しください」

「は? なにいっ−−」

その言葉を最後に、暁夜と三人組の男達は、下駄箱前から姿を消した。

数秒後、

次に視界に映ったのは、淡色で構成された機械的な壁に床だ。 暁夜はなんとなく、スペースオペラなんかに出てくる宇宙戦艦の内部や、映画で見た潜水艦の通路を思い出した。隣には先程、暁夜に話しかけてきた金髪の男性と黒い服を着た巨漢二人の姿があった。

「これは・・・拉致ってことでオッケーか?」

「いえいえ、滅相もございません。私達は貴方様を歓迎したのです。色々と聞きたいこともあるかもしれませんが、私についてきてください」

金髪に長身の男性が、執事のような調子で軽く礼をする。 そして、巨漢二人を連れて歩き始めた。暁夜は小さく溜息をつき、金髪に長身の男性と巨漢二人の間に挟まれながら面倒くさそうな表情で歩きはじめる。

そして、どれくらい歩いた頃だろうか。

「・・・ここです。崇宮暁夜さん」

通路の突き当たり、横に小さな電子パネルが付いた扉の前で足を止め、金髪に長身の男性が言った。 次の瞬間、電子パネルが軽快な音を鳴らし、滑らかに扉がスライドする。

「さ、お入りください」

金髪に長身の男性が中に入っていく。 暁夜もその後に続いた。

「なんだ? ここ?」

そして、扉の向こうに広がっていた光景に、首を傾げる。 一言で言うと、船の艦橋のような場所だった。 暁夜がくぐった扉から、半楕円の形に床が広がり、その中心に艦長席と思しき椅子が設えられている。 さらに左右両側になだらかな階段が延びており、そこから降りた下段には、複雑そうなコンソールを操作するクルー達が見受けられた。 全体的に薄暗く、あちこちに設えられたモニタの光が、いやに存在感を主張している。

「司令。崇宮暁夜さんを
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