機動戦士ガンダム
2101話
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猫、子犬、リスといった無害な小動物の炎獣が生み出され、エデンの中を走り回る。
見る奴が見れば和む光景ではあったが、ラル達は既に魔法を知っている。
……あ、でもクランプは炎獣を見たのは初めてだったか?
ともあれ、こちら側の面々は炎獣を見ても愛らしいといった感想を持つ程度だったが、シーマ率いる海兵隊の面々は違う。
魔法というものを見たことがない以上、当然のように炎獣の姿を見てパニックを起こし……
「静まりな!」
その瞬間、シーマの鋭い声がエデンの中に響き渡る。
初めて魔法を見るにも関わらず、その一声で海兵隊の者達を……それも、この場でシーマと一緒にいる事を許された者達を静めるのだから、そこにシーマの指揮官としてのカリスマ性や技量が窺える。
……なるほど。ラルがシーマ達を引き込もうとしたのは、純粋に自分のせいで汚れ仕事を押しつけたから、というだけじゃないのか。
「坊や……いや、アクセル。今のは何の手品だい?」
海兵隊の連中を落ち着かせてから、改めてシーマは俺に尋ねてくる。
その視線に宿っているのは、強烈な渇望とでも呼ぶべき色。
シーマにとって、交渉する相手がラルからセイラに、そしてセイラから俺に変わったのだろう。
先程までは、俺という存在はそれこそ何故この場にいるのか分からないといった様子だったが、その判断が誤りであったと、そう気が付いたのだろう。
「手品か。まぁ、そう見えても不思議はないだろうな」
言いながら再び指を鳴らすと、次の瞬間、炎獣は全て消え去っていた。
それこそ、一瞬前まで店の中を自由に走り回っていたのが嘘のように。
シーマを含めた海兵隊の連中も、突然消えた炎獣達がいた場所を見ている。
……ハモンが残念そうな表情をしているのは……まぁ、気にしないでおくとしよう。
ともあれ、一瞬にして炎獣が消え去ったのを見て、より手品のように思えたのか、こっちを見るシーマの視線が若干落胆したものに変わる。
「なら、これも手品だと思うか?」
そう言った瞬間、座っていた俺の影から槍……いや、先端は尖っていないので、棒と言うべきか? ともあれ、そんな形をした影槍を伸ばす。
「っ!?」
突然目の前に伸びてきた影槍に、シーマは半ば反射的にだろう。服の内側に手を伸ばし、拳銃を抜く。
だが、次の瞬間棒状だった影槍は鋭さを得ると、一瞬にして拳銃を切断する。
「な……」
「手品じゃないってのは、理解出来たか? これが、魔法だ」
手に持った拳銃がいきなり切断されたのを唖然と見ていたシーマだったが、やがてその拳銃の残骸を後ろに立っていたコッセルだったか? その男に渡す。
「あたしの拳銃は、一応それなりに高価なんだけどね」
「悪いな。けど、こんな
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