機動戦士ガンダム
2101話
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に対する忠誠心? はっ! そんなの、持ってる訳がないだろ。寧ろ、ジオン公国という国を、憎んですらいるさ」
へぇ……シーマの境遇を聞く限り、薄々そうだと思ってはいた。
だがそれでも、まさかこうまで明白にジオン公国に対する不満を口にするとは思わなかった。
普通なら、青い巨星という異名持ちのパイロットに呼び出され、そこで国に忠誠心を抱いているかと言われて、それでこうも正直に言ったりはしないだろう。
穿った考え方をすれば、汚れ仕事を行ってきた海兵隊を処分したい為に、国家反逆罪なりなんなりの罪に問う為にこのような場を設けたと、そう考えても不思議ではないのだから。
特にここにいるのはランバ・ラル。ダイクン派の中でも強い影響力を持っている人物で、ザビ家が妙な行動をしないかと監視していると考えてもおかしくはないのだから。
そもそも、ラルは青い巨星という異名を持っていて有名人ではあるが、シーマとの関わり合いはない。
それどころか、ラルのせいでシーマ率いる海兵隊は汚れ仕事をする事になったのだ。
当然のように、ラルが設けたこの場で本音を言うのは危険だと判断してもおかしくはない。
おかしくはないのだが……それでも、シーマは本音を口にした。
これは、セイラの持つカリスマ性によるものか?
そんな風に思っている俺の横で、セイラは口を開く。
「では、何故まだジオン軍に所属し、連邦を相手に戦っているのですか?」
「決まってるだろ。もうあたし達には、行くべき場所がないからだ。あたし達はそこの青い巨星様のおかげで、コロニーの中にいた住人全員をG2ガスで殺してしまったし、そのコロニーが地球に落下した結果、オーストラリアにはどでかい穴まで開いちまったんだ。そんなあたし達が、連邦に……ましてや、名前だけの中立のサイド6が受け入れてくれると思うかい? 寧ろこれ幸いと捕らえられて、交渉材料にされるか戦意高揚の為に裁判に掛けられるか……コロニー落としをやったって事で公開処刑されるかもね。昔は、ギロチンとかいう処刑道具があったって聞くし」
笑いながらそう告げたシーマだったが、次の瞬間には再び真剣な表情になって、セイラを見る。……いや、睨み付ける。
「冗談じゃないさね。あたしはそんな結末は真っ平ごめんだ。それに、この馬鹿共をそんな自殺行為に付き合わせる真似はしたくないしね」
「……そうですか」
海兵隊の面々がシーマの言葉に感動しているのを見て、セイラが口を開く。
「では……もし、もし、ジオン公国でも連邦でもない、ましてやシーマ中佐が口にした偽りの中立のサイド6でもない……本当の意味で新しい国が出来たとしたら、どうしますか?」
「……は?」
セイラの口から出たのが、完全に予想外の言葉だったからだろう。
シーマはその
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