暁 〜小説投稿サイト〜
デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
第1ルート:十香デッドエンド
プリンセス
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暁夜と折紙が屋上で士道を視界に捉えた頃。彼らより先に空間震の発生地へと向かっていたワイヤリングスーツを着こみ、CRユニットを纏う沢山の女性達の中の一人、『AST』の隊長である日下部燎子は、青筋を立てて、ご機嫌ななめだった。

「あぁ、もう! まだあの二人は来ないの!?」

『申し訳ございません、日下部隊長。 ただいま、向かっておりますので、もうしばらく待ってあげてください』

オペレーターがそう宥めにかかるが、日下部の苛立ちが静まることはない。というのも、アナウンスが放送されてから、約20分ほど経っていた。今回の空間震発生地点は、暁夜と折紙の通う高校からそう遠くない場所だ。武装する時間と合流時間を合わせれば約10分かかる?かからない?ぐらいで本隊と合流出来るはずなのだ。だと言うのに、未だに二人の姿が見えることはない。オマケに、暁夜に通信機で話しかけても返事がない。

「ったく、暁夜は毎回毎回遅刻するし、折紙も暁夜(あのバカ)のせいで最近は遅刻ばっかりだし!ストレスが溜まって、禿げそうよ!」

燎子がわぁわぁとこの場にいない二人に向けて喚き散らす。その時だ。

空間震の発生予測地点の建物はおろか周辺の空、木々、生き物等をまとめて白光が包み込んだ。そして、同時に大きな爆音と衝撃波が発生した。数距離離れていた《AST》メンバー達のところまでその衝撃波は影響を及ぼす。吹っ飛ぶことはないが、微かにバランスが崩れる。

「く・・・ッ!全員、戦闘準備! 速やかに任務を遂行するわよ!」

燎子は全員にそう指示して、オペレーターに通信を繋げる。

『はい。 こちら、オペレーターの藍鳴(あいな)です。 どうしましたか? 日下部隊長』

「藍鳴。 暁夜と折紙に言伝をお願い」

『了解しました。一字一句間違えないように伝えておきます』

「ありがとう、藍鳴」

燎子はそうお礼を言って、言葉を紡いだ。

『言伝、承りました』

「じゃあ、あとはお願いね」

『お気をつけて、日下部隊長』

ブツと、通信が切れる音がした。燎子はそれを確認した後、武装を構えて空間震発生地点へと向かった。

?

空間震によって生み出された爆発は、建物はおろかその場に存在する全てを吹き飛ばしていた。まるで、映画のワンシーン。 隕石によって破壊されたかのごとく中心にクレーターが生まれていた。妹の琴里を探しにたまたま通りかかった士道は、突然の衝撃波で吹き飛ばされ、地に尻餅をついていた。既に士道が尻餅をついてから約五分以上経っていた。否、見惚れていた。 というのも、士道の目の前には美しい少女がいた。

大きな剣を持ち、紫色のドレスのようなものを身に纏い長い黒髪をしている美しい少女。 その少女は、まるで、戦乙女を連想させるような姿を
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