暁 〜小説投稿サイト〜
デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
第1ルート:十香デッドエンド
プリンセス
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その会話を最後に、『プリンセス』の姿はこの世界から消失(ロスト)した。言葉の綾ではなく現実に。

「さーて、報告の前に−−」

暁夜は大きく伸びをしたあと、先程の攻撃を言葉で制止させた青年の方に視線を移す。

「なぁ、士道。 どうして、止めたんだ?」

士道は緊張のあまり唾を飲み込んだ。今まで 見たことのない親友の表情に動揺する。紅闇色の瞳は輝きが無い。いつもの笑みはそこになく、親の敵を見るような、赤の他人を見るような、そんな表情。

「そ、それは・・・」

「それは? まさか、可哀想だ、悲しそうだったとか言わないよな? あいつが・・・『精霊』が、何をしてきたか、お前がよく知っているはずだ。 真−−」

『こちら・・・オペレ・・・ー。 暁夜さ・・・ん。 声が・・・きこえ・・・ら・・・へん・・・くださ・・・願いします』

「あぁ、こちら暁夜。 先程まで『プリンセス』と交戦及び消失(ロスト)。これより、鳶一一曹と共に帰還する」

通信機から聞こえてきた声に、暁夜はそう尋ねる。少し遅れて、

『了解しました。お二人の帰りをお待ちしております』

「ありがと、オペレーター」

その礼を後に、通信機を切った。 そして、士道の方に振り返り、

「士道。 今日の事は内密で頼む。この事は一般市民にはバレちゃいけない件だ。ただでさえ、空間震で怯えてるんだ。 そこに『精霊』なんて化け物が原因だなんて教えたら、パニックが起こるからな」

「あ・・・あぁ」

士道は首を縦に振った。

「それじゃ、また明日、学校でな」

暁夜は、士道の知る親友の笑顔を浮かべて、メカニックな衣装を纏う折紙と共にその場を立ち去っていった。
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