第1ルート:十香デッドエンド
プリンセス
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で水晶に様々な色の光を多方向から当てているかのような、不思議な輝きを放つ双眸が鎮座している。 装いは、これまた奇妙なものだった。 布なのか金属なのかよくわからない素材が、お姫様のドレスのようなフォルムを形作っている。 さらにその継ぎ目やインナー部分、スカートなどにいたっては、物質ですらない不思議な光の膜で構成されていた。そしてその手には、身の丈ほどあろうかという巨大な剣が握られている。
「おいおい、俺の名前を忘れるなんてひどいじゃねえかよ。 お前とは結構、殺し合いしてる仲じゃねえかよ。 なァ、『プリンセス』?」
『プリンセス』に対して、暁夜は大仰なリアクションをとる。
「再度問う。 お前は何者だ?」
ズサっと、大きな剣を暁夜に突きつけて、最後と通告を言い渡す。その言葉に対し、暁夜は、白塗りの片手剣を構えて、ニヤリと笑って、
「人に名前を尋ねる時は自分から名乗れって、ママに教わらなかったのか? 『プリンセス』」
挑発としか取れない言葉を告げた。その言葉に、『プリンセス』は不機嫌そうに表情を歪め、今度は大きな剣ではなく、両手を振り上げて光の球を作り出した。
「−−っべ!?」
慌てて地を蹴り、右方に転がる。危うく、黒球で殺されるところだった。
「おいおい、失礼極まりない奴だなぁ。そんなに−−死にたいのか? 精霊」
瞬間、暁夜の纏う雰囲気が変わる。 先程までのおちゃらけた雰囲気ではなく、誰も近づかせない鋭き刃のごとく憎悪に満ちた雰囲気へと。白塗りの片手剣の周囲をはためいていた淡い青の光が、今は紅闇色の光を放っている。
「殺し合いの準備は出来てるか? 精霊」
紅闇色の光を纏った白塗りの片手剣を、『プリンセス』に突き付け、暁夜はそう宣言した。
「お前も・・・か」
『プリンセス』はそう悲しげな表情で大きな剣を構えた。
そして、精霊と崇宮暁夜の殺し合いが始まった。
?
クレーターの中心で、激闘を繰り広げる精霊と暁夜の姿に、ビルの一角まで避難していた士道は、ここまで連れてきてくれた折紙に声をかける。混乱と不安が入り交じった声音で。
「な、なぁ。 暁夜は大丈夫なのか? あんな危ない奴に勝てるのか?」
先程から、暁夜に振り下ろされる大きな剣は普通の人間では容易く死んでしまうような代物だ。それをその剣よりもサイズも長さも劣る白塗りの片手剣で応戦するのは無謀な筈だ。恐らく、重心を下げて、当てる場所をずらしているのかもしれないが、それでも数分も持たないだろう。だが、折紙から返ってきた問いの答えは想像していなかったものだった。
「大丈夫。 彼は−−人でありながら、これまでに他の討伐対象を、この装備無しで始末してきた。彼が負ける確率は
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