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デート・ア・ライブ〜崇宮暁夜の物語〜
第1ルート:十香デッドエンド
プリンセス
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していた。ただ、この時の士道は、衝撃波のせいで、頭がおかしくなっていたのかもしれなかった。

「な、なぁ。 君はいった−−」

誰もが、少女をひと目見れば普通じゃないと判断する中で、士道は声をかけた。が、言い終えるより早く、目の前の少女が、士道目掛けて、大きな剣を横薙ぎに振るった。まるで、羽虫を殺すごとく、躊躇いもなくだ。

横薙ぎに振るう動作に視界が追いつく頃には、間に合わない。何故なら、人間はすぐには身体が動くことが出来ない。視界に捉え、動くまでに僅かなタイムラグが生じる。そのタイムラグを解消するとなれば、人間をやめるしかないだろう。だから、士道の身体は一瞬で、真っ二つにされる。

(・・・ッ!?)

士道が死を覚悟した瞬間、

キィィッン!

と金属音が鳴り響いた。そして、遅れて爆発音が響く。 士道は、恐る恐る瞼を開けると、そこには見知らぬ青年がいた。

鼻から下を灰色の布で覆い、右手に白塗りの片手剣を構えた青年。彼の持つ片手剣は、淡い青の光を振り撒いており、まるで星が瞬いているようだ。 服装は、来禅高校の制服。

「大丈夫だったか?」

目の前の男が振り返って、士道に声をかけてきた。光の差さない紅闇色の瞳に、色素が僅かに抜けた薄い青髪をした親友に似た男の顔に、士道は驚く。

「なっ・・・!? 暁夜! お前こんな所で何してんだよ!?」

しばしのフリーズ後、目の前の親友に声をかける。 が、暁夜と呼ばれた青年はとぼけた表情を浮かべた。

「暁夜? 誰だそれ? 俺は、正義の味方だ。 少年」

大きな剣を振るうことで生じる斬撃を白塗りの片手剣で全て撃ち落としながら、目の前の青年は少し声音を下げて答える。と、その青年の隣に、銀髪の少女が舞い降りた。

「無駄話はそこまで。彼は私が運ぶ。 暁夜は精霊の撃退を」

「ちょっ!? 名前バラしてどうすんのさぁ!? 折紙ちゃん!?」

「別に隠すようなことではない。あなたの嘘は誰にでも見破られるほどに下手」

「・・・さいですか」

折紙にそうトドメを刺されて、落ち込む正義の味方こと暁夜。 目の前で繰り広げられる同級生同士の茶番に、士道は唖然とする。

「んじゃ、まぁ、士道の事お願いね」

「任せて。 あなたも気をつけて」

「はいよー」

暁夜は、飛んでくる斬撃を的確にさばきながら、折紙が士道を連れていくまでの時間を稼ぐ。やがて、二人が離れていくのを確認し、最後の斬撃を吹き飛ばす。そして、白塗りの片手剣をブラブラと揺らしながら、目の前の精霊に視線を向ける。

「お前は何者だ?」

クレーターの中心に立つ少女。 歳は恐らく17歳ぐらいだろう。膝まであろうかという黒髪に、愛らしさと凛々しさを兼ね備えた貌。 その中心には、まる
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