246部分:第十八話 運動会その四
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第十八話 運動会その四
「美味しくて栄養のあるものを食べること」
「それか」
「そうしないと駄目だから」
「何かそういう考えって真面目だよな」
「真面目に生きてそれでこそ」
椎名の話は続く。陽太郎にその話をしていた。
「だから」
「そうか。それじゃあ俺もな」
「うん」
「コーラ飲もうと思ってたけれど豆乳にしようか」
考える顔で述べたのだった。
「それにするか」
「そうすればいい。それじゃあ」
「ああ、お金は?」
「はい」
小銭を出す。陽太郎はその小さな手から受け取った。
「豆乳ね」
「豆乳だったら何でもいいよな
「麦芽入りがいい」
こう注文はした。
「あれが美味しいから」
「普通の豆乳も捨て難いよな」
「豆乳はあっさりしていていい」
豆腐だからこれは当然のことである。そうした飲みやすさも魅力なのである。
「何気に抹茶も好き」
「抹茶な。俺はそれにするか」
「それにするの」
「あったらな。じゃあ買って来るな」
「うん、じゃあ」
こんな話をしてであった。陽太郎は椎名の分の豆乳も買ってきてそれで二人で飲むのだった。三組は全体としてこうした雰囲気でありリラックスしていた。
だが四組はだ。運動会が進めば進む程だ。ギスギスとしていた。
「何で負けるのよ」
星華が帰ってきた男子の一人の前に立って睨みながら問うた。
「あそこで負けたら意味ないじゃない」
「いや、けれどあの三組のよ」
「けれども何もないわよ」
相手の言い訳はさせなかった。
「あんたそれでサッカー部なの!?」
「ああ、サッカー部だよ」
「走るの得意じゃない。じゃあ何で二百メートル負けるのよ」
「相手が強いんだから仕方ないだろ」
相手の男子の方もムキになって星華に返す。
「佐藤だって見ただろ。あの速さよ」
「ええ、見たわよ」
「じゃあわかるだろ。ありゃ抜けるものじゃねえよ」
「それでも何とかしなさいよ」
佐藤は自分より十センチは高い相手に対しても臆してはいなかった。
「あそこであんたが一等だったら三組に逆転していたのよ」
「そうよ、あんたが二等だったからね」
「四組も二等じゃない」
「どうしてくれるのよ」
橋口や州脇達も来てだ。その男子に言う。
「責任取れるの?」
「どうなのよ」
「あのな、責任って何だよ」
男子も言われっぱなしでは気が収まらない。こう星華達に返す。
「二等じゃ駄目だっていうのかよ」
「ええ、駄目よ」
「決まってるじゃない」
「何言ってるのよ」
三人はその彼にさらに攻撃を浴びせる。
「わかったわね。次に出る時はよ」
「絶対に一等取りなさい」
「いいわね」
「そっちこそな」
男子はそのまま三人にその攻撃を返した。
「絶対に取れよ
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