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ドリトル先生と奇麗な薔薇園
第三幕その九
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「そちらの方の獣とです」
「考えられていますね」
「はい、そしてブラジルからの留学生の子も驚いていました」
「ブラジルではチスイコウモリですね」
「日本にもいるのかと」
「あの蝙蝠は実は珍しいですからね」
 血を吸う様な蝙蝠はです。
「実は」
「ブラジル等だけで」
「はい、蝙蝠も種類は多く」
 先生もよく知っています、流石はあらゆる生きもの達とお友達ではありません。だから蝙蝠のことも知っているのです。
「様々なものを食べ」
「血を吸う種類は」
「あの蝙蝠だけで」
「生息地域もですね」
「限られています」
 中南米の一部だというのです。
「日本には生息していません」
「はい、しかしです」
「ブラジルにはいるので」
「日本にもかと驚いていました」
「そうだったのですね」
「はい、そして」
 さらにお話する教頭先生でした。
「私も彼等に説明しました」
「日本の蝙蝠のことを」
「本当に日本ではです」
「蝙蝠はかえって有り難い生きものとしてですね」
「考えられています、吸血鬼の要素もなく」
 そうしてというのです。
「血もです」
「吸いませんね」
「はい」
 そうだというのです。
「これが」
「そして狂犬病もないですね」
 チスイコウモリは血を吸う際にこの恐ろしい病気を感染させることがあります、だから恐れられているのです。
「チスイコウモリからは」
「そうです、日本ではもう狂犬病は」
「なくなったと言っていいですね」
「かなり気をつけています」
 飼い犬達への予防接種も気をつけてです。
「本当に」
「そうですね、しかし蝙蝠までいて」
「夜も蚊が減っています」
 こう先生にお話するのでした、そしてその他にも色々とお話をしてです。
 先生は教頭先生と別れて研究室に戻りました、その途中に動物の皆が言いました。
「いや、蝙蝠もいるんだ」
「そうなのね」
 チープサイドの家族が最初に言いました。
「この学園には」
「動物園にもいるけれどね」
「それで夜になると出て来て」
 ガブガブも言います。
「蚊を食べてくれるんだね」
「蚊は夜に一番元気になるからね」 
 ジップもこのことに困っています、特に夏に。
「うちでも蚊取り線香とか出すけれど」
「それでも食べてくれる生きものがいたら」
 トートーも言います。
「それに越したことはないね」
「そうそう、害虫を食べてくれるならよ」
 ダブダブもそれならと言い切ります。
「こんな有り難い存在はないわ」
「だから高等部の農業科では蜻蛉や蜘蛛を増やしてるのね」
 ポリネシアの口調は感心しているものです。
「いいことね」
「人手よりも生きものの手を借りる」
 ホワイティの考えはしっかりしています。
「それ確か
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