第三幕その七
[8]前話 [2]次話
「養殖を進めています」
「そうですか」
「タガメもそうですし」
「あの昆虫もですか」
「そうしています」
「素晴らしい、宜しければまたこちらにお伺いしても宜しいでしょうか」
「どうぞ」
教頭先生は先生に笑顔で答えてくれました。
「そうされて下さい」
「それでは」
「はい、とにかく今はです」
「昆虫には昆虫ですね」
「我が校ではこうしています」
「いいことですね」
「ただ教訓も忘れていません」
その忘れていない教訓はといいますと。
「マングースのこと等です」
「ああ、沖縄の」
「あれは残念な状況ですね」
「はい、僕も沖縄に行ったことがありますが」
先生もマングースのことをお話します、実はマングースは沖縄には最初はいない生きものなのです。
「マングースは蛇を食べることで有名ですが」
「それでもですよね」
「はい、沖縄はハブです」
「ハブの害が問題になっていて」
「ハブ問題解決の為にマングースを持ち込んだら」
これがだったのです。
「ハブを食べずに天然記念物を襲って」
「大変なことになっていますね」
「コブラは襲うのに」
インド等本来いる場所ではそうですが。
「ハブを食べないで」
「鼠もですね」
「ヤンバルクイナ等を襲うので」
沖縄にいる稀少な生きもの達をです。
「問題になっていますな」
「困ったことに」
そうだというのです。
「何かと」
「それで、ですね」
「このことを教訓として」
そうしてというのです。
「ことにあたっています」
「成程」
「こうしたことは机上の学問ですと」
教頭先生は先生にこうもお話しました。
「よく間違いが起きて」
「沖縄のマングースの様になりますね」
「外来種の持ち込みは特に」
「そういえば日本では他にも」
「ブラックバスやブルーギルもでしたね」
「深刻な問題になっています」
こちらのお魚のこともというのです。
「ザリガニや亀もですが」
「アメリカザリガニが多くなりミドリガメも増えて」
「日本本来の種類よりも多くなったり」
「そうしたこともあるので」
「はい」
それでというのです。
「困ったことになっています」
「それでなのですね」
「はい」
まさにというのです。
「最近ではワニガメ等もいる始末です」
「ペットを無責任に捨てたのでしょうね」
「そのせいか」
「そうした生きものも増えていますね」
「そうなっています」
「ペットを捨てることは危険です」
先生はこのことは真面目にお話しました。
「我が国でも問題になっていまして」
「イギリスでも」
「そうなのです、ピューマ等猛獣を捨てて」
「猛獣ですね、本当に」
ピューマと聞いてです、教頭先生も驚いています。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ