親子の絆
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
トの杖が突き刺さるかと思われたが・・・
「天竜の咆哮!!」
それを遮るようにウェンディがブレスを放つ。
「小賢しい」
ウェンディの渾身のブレスを右腕で受け止めるオーガスト。それなのに、その腕には傷一つ付いていなかった。
「天空の滅竜魔法・・・なかなかのものだ」
「そんな・・・」
誰の魔法も通じず、為す術がない状態。数的には優位であるはずなのに、魔導王の前ではそれは無意味となっていた。
(どうすれば・・・)
もう勝つ道はないのか、諦めそうになったそんな時、戦場にもう一度光を灯すために一人の少女が舞い戻ってきた。
「みんな!!」
「「「「「!!」」」」」
息を弾ませてやって来たのはアイリーンから身を隠すために逃げたはずのメイビス。その後ろからはキナナも追いかけてきていた。
「初代!!」
「なんでここに!?」
メイビスの登場に驚く面々。だが、一番動揺していたのはこの男だった。
(母さん!!)
メイビスとゼレフの子供であるオーガスト。彼は母を見ると、ずっと彼女を思い続けてきたからなのか、わずかな隙が生まれた。
「そこよ!!」
「!!」
その隙を逃すことなく突いてくるアイリーン。オーガストはそれを交わすことができず転倒する。
「ぐっ・・・」
まだ動揺を押さえきれずにいるオーガスト。その時、アイリーンはあることに気が付いた。
「ようやくわかりましたわ、あなたの魔法の正体が」
「え・・・」
アルバレスで共に戦ってきた二人だったが、普段は一緒になることも少なく互いの魔法についてはほとんど知らなかった。しかし、彼の戦いぶりを見ていたアイリーンはそれに気が付いた。
「あなたの魔法は《瞬間コピー》。敵の魔法を瞬時にコピーし、無効化することができるのね」
オーガストは今まで戦ってきた魔導士たちに様々な魔法を見せてきた。それゆえに彼はあらゆる魔法を使える存在として認知されてきたが、それは魔法をコピーしていただけであり、本人が使えるわけではない。
「それなら道具を使う魔法はコピーできないはず!!エルザ!!」
「はい!!」
換装で妖精の鎧を身につけたエルザ。彼女はまだ硬直状態にあるオーガスト目掛けて突進する。
「ハァァァァァァァ!!」
オーガストはそれを防ごうと動こうとした。しかし、彼女の背後から見守っている母が視界に入ると、それが気になって仕方がなくなる。
「ぐあっ!!」
打ち上げられたオーガスト。エルザの魔法は鎧により戦闘能力を変えるもの。ゆえにオーガストに魔法をコピーされる心配はない。
(お父さん・・・)
致命傷になっていてもおかしくなかった。だが、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ