ep21 パイロットの意見
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夜 孤島
ソレスタルビーイングが使用する、小さな孤島がモニター越しに見えた。ロックオン・ストラトスはガンダムデュナメスのコクピットから、島にあるMS収容コンテナを視認する。夜間とはいえ、森の中にあからさまな人工物があるのは簡単に識別できた。
「コンテナを確認。機体を戻すぜ」
『ハッチオープン、ハッチオープン』
独立AIのハロが目を点滅させて、ロックオンの指示に応える。
デュナメスの後方にはガンダムエクシアが追随している。彼らはアザディスタンにおける内紛への武力介入から帰還したところだった。テロリストたちによって拉致されたマスード・ラフマディを保護し、明日アザディスタンに送り届けることになる。
鬱蒼と茂る木々に埋め込まれたように位置するコンテナの上部がグワンと持ち上がった。キャリーバッグさながらのコンテナにガンダムを入れる様は、ガンダムを持ち歩いて世界を揺るがす戦争マンだ。
コンテナから伸びる光の点線は収容シークエンスのためのものだ。ロックオンはデュナメスを仰向けにして、機体をコンテナに近づける。
無事に機体をコンテナに下ろすと、機体の肩や足がコンテナ内部の機材よってロックされた。ロックオンはふうと息を漏らす。
「どうにかだな……」
脳裏によぎるのは、米軍の黒いフラッグだった。恐らくユニオンのエースパイロットなのだろう。
そのパイロットは、ロックオンの狙撃を的確に避けた上に、近接戦闘まで仕掛けてきたのである。あのような展開は実戦では初めてで、ロックオンは少なからず意識していた。
ロックオンはハロを抱えてコクピットから出る。収容後に敷かれたデッキを歩いてコンテナの通路に向かった。
「このモヤっとした気分、どうにかしたいねえ」
『ヨッキュウフマン?ヨッキュウフマン?』
「ハハ、違うっての。つか、どこでそんな言葉覚えるんだ?」
まず、戦闘に欲求を感じたら完全にアウトだ。ロックオンは球体の相棒に言葉を続ける。
「黒いフラッグだよ。さっきは状況に助けられたが、今度出くわしたときにあんな戦いじゃ、こっちが危ねえ」
過去にも、黒いフラッグについては刹那の報告で知らされていた。海上にて、エクシアに執念深くまとわりつき一発だけ当てたらしい。そこでエクシアが水中に潜ったため、撤退したとのことだった。
ロックオンは更衣室で私服に着替えると、接続されたエクシアの収容コンテナに向かう。マスード氏の対処を刹那だけに任せるわけにはいかない。
だが、ロックオンは刹那の元へ行く前に足を止め、少しの間思案した。
それから、ハロを目の前に向き合わせて呼びかける。
「なあ、ハロ。ちょいと頼みがあるんだが」
『ナアニ?ナ
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