機動戦士ガンダム
2100話
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いれば、それこそエデンを見張っている連中にとっては何かがあったと思われそうなんだが……いや、こうして喧嘩腰になっているのを見れば、手を組んだとかじゃなくて、寧ろ揉めていたって事で、見張りの上が心配しているようなことにはならないのか?
と、海兵隊の1人が、俺の姿に気が付く。
「おい、そのガキは何だ」
「アクセル・アルマー。ラル大尉が呼んでこいと言った人物だよ」
「ああ? そんなガキをシーマ様の前に連れ出すのか? お前、正気かよ?」
海兵隊の男は不満そうに俺を睨んでくる。
睨んでくるが……その割に、こっちに手を出してくる様子はない。
なるほど。荒くれ者を揃えてはいるが、しっかりと統制は出来ているらしい。
「通して貰うぞ」
それだけを言い、コズンと共にエデンの中に入っていく。
海兵隊の連中は不満そうに俺やコズンを見ていたが、それでも強引に止めるような真似はしない。
その事で、また少しだけだが海兵隊の連中を見直す。
そんな風に思いながらエデンの中に入っていくと……そこでは、予想はしていたけどちょっと予想外という、微妙な光景が広がっていた。
まず、ラルの方にいるのは、ラル、ハモン、クランプ、タチ。
そしてラル達を代表するように、セイラの姿もある。
海兵隊の方は、扇子を手にした1人の女……20代後半、もしくは三十代前半くらいの美人と呼んでも差し支えはないだろう顔立ちの女だけが椅子に座り、その周囲にはエデンの外にいた海兵隊よりも明らかに格上と思われる男達が護衛のように立っている。
この女が表で海兵隊の男が言っていたシーマなのだろう。
シーマを含めた海兵隊の面々は、怒鳴ったりはしていないが、間違いなくラルに対して殺気をぶつけていた。……そう、セイラではなくラルに。
「妙に殺伐としているな」
呟いた俺の言葉に、そこでようやく俺とコズンがエデンの中に入ってきた事に気が付いたのか、海兵隊の面々はこっちに視線を向けてくる。
……が、視線を向けた先にいたのがまだ10代半ばの俺だと気が付いたからか、こっちを見た海兵隊の面々はどこか侮ったような笑みを浮かべる。
もっとも海兵隊の中でも中心人物らしい扇子を持った女は、侮りではなく訝しげな視線を向けていたが。
その女が俺に視線を向けていたのは数秒。すぐにラルの方に視線を戻し、冷静な怒りとでも呼ぶべき視線を向ける。
頭に血が上って怒るよりも、こうして冷静に怒ってる相手の方が厄介なんだよな。
ただ、海兵隊の面々がラルに対してここまで怒ってるという事は……
セイラに視線を向けると、ちょうどセイラもこちらを見ている状況で、お互いに視線が交わる。
俺の視線の意味を理解したのか、セイラは口を開く様子もなく小さく頷く。
……なるほど。ど
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