機動戦士ガンダム
2100話
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ら、コズンが近づいてくる。
「コズン? 一体どうしたんだ? 何だか、妙に急いでるみたいだけど」
「ああ、ちょっとな」
そう言い、コズンは俺を連れて人混みから抜け出していく。
もっとも、周囲の者達は殆どが連邦軍との戦争の戦況が有利だということで騒いでいる者が多く、俺とコズンを見ても特に気にするようには思えなかったが。
「で? 何がどうしたんだ?」
人混みから抜けて、人の目のない建物の陰に入ったところで、コズンに尋ねる。
見るからに急いでいたその様子は、何か重大な用事で俺を呼んでいるという事を予想させたからだ。
事実、コズンは俺のその台詞に再度周囲に誰もいないのかを確認してから、それでも周囲に聞こえないようにと口を開く。
「例の、ラル大尉が気にしていた海兵隊の連中……今、エデンに来てるんだ」
「……何? また、随分と早いな」
俺が聞いた話によると、その海兵隊は突撃機動軍に所属してジオン軍の汚れ役を全面的に押しつけられているという話だった。
つまり、連邦との戦いが激しい現在では、サイド3の……それも首都コロニーのズム・シティに来るような余裕はない筈だった。
「俺もそう思ってたんだが、どうやら丁度海兵隊の連中が故郷に……マハルに戻ってきていたらしい」
「へぇ……汚れ役をやらされてるって話だったけど、それなりに優遇はされてるのか?」
「どうだろうな。まぁ、腕の立つ連中ってのは間違いないらしいから、多少そういう事があっても驚きはしねえよ。ともあれ、ラル大尉がエデンでお前を待ってるからすぐに来てくれ」
そのコズンの言葉に頷き、影のゲートを使うか? とも聞いたが、コズンはそれに首を横に振り、ラルが直接来るように言っていた、と。そう告げるのだった。
「あれが海兵隊の連中か?」
エデンの前、普段であればラルの仲間達が見張りをしており、俺が初めて来た時にはコズンがいた場所に、現在は見るからに不良軍人といった様子の者達がいる。
海兵隊というのは、サイド3の中で最も貧しいと言われているマハルというコロニーの中でも腕っ節の強い男達を半ば強引に集めて作られた部隊らしいから、正規の軍人ではなく不良軍人っぽいのが増えても不思議ではないか。
そういう意味では、ラルの部下達も乱暴者揃いというのは間違ってないのだから、意外と仲良く……
「ああ? 何だてめえ。戻ってきたのか」
「ラル大尉に呼ばれたんだ。当然だろ」
……仲良くは……どうやら、出来ないらしい。
同族嫌悪って奴か?
ともあれ、数人の海兵隊と思しき者とコズンがそれぞれ、至近距離で睨み合う。
コズンの方は1人だったが、それでも自分よりも大勢を相手に負けている様子はない。
こうまであからさまにして
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