第50話
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えっと……その”黒の工房”という所への対応についてヴァイスさん達と話し合うと仰っていますけど、具体的にはどんな対応をするつもりなんでしょうか……?」
「それは………」
「……簡単に言うとクロスベルと協力して各地に点在する”黒の工房”の”拠点”を”潰す”――――要するに”黒の工房”の施設、関係者達をこの世から葬り去る為の話し合いだ。」
ティータの質問にエイリークが複雑そうな表情で答えを濁しているとエフラムが静かな表情で答え
「な――――」
「ええっ!?」
「こ、”この世から葬り去る”って、まるで襲撃するみたいに聞こえますけど……」
エフラムの答えにクルト達が驚いている中リィンは絶句し、セレーネは驚きの声を上げ、ユウナは不安そうな表情で呟いた。
「まるでも何もその通りよ?メンフィル帝国並びにクロスベル帝国は”黒の工房”を完全に殲滅対象としているから、”黒の工房”の施設の破壊は当然として、関係者達も全員”殲滅”――――殺すつもりよ?かつて結社”身喰らう蛇”の”盟主”を含めた結社の多くの最高幹部の命を奪い、今もなお”残党”達の殲滅を目標としているようにね。」
「………どうしてメンフィル帝国とクロスベル帝国はその”黒の工房”?という所に対して、そこまで過激な対応をするのかしら?」
「……まあ、色々と理由はあるが最近になって今まで中々掴めなかった”黒の工房”の目的をようやく掴んだんだが……その目的の一つが一国どころか、世界中をも巻き込む混乱を引き起こす事だそうだ。そしてその目的を知った俺達は国家どころかゼムリア大陸にとって危険な組織である”黒の工房”の完全抹殺を決定したという訳だ。」
レンの説明を聞いて悲しそうな表情を浮かべたゲルドの疑問にエフラムは静かな表情で答えた。
「一国どころかゼムリア大陸全土を巻き込む混乱ですか………”黒の工房”とやらは一体何の為にそのような事を……」
「……………………しかし、どのようにしてメンフィル帝国とクロスベル帝国は今まで謎に満ちた”黒の工房”の目的を掴んだのでしょうか?それにそのような話し合いをするという事はわたしが知っていた拠点以外の”黒の工房”の本拠地を含めた拠点が判明したのでしょうか?」
「アルティナ………」
クルトが重々しい様子を纏って考え込んでいる中目を伏せて黙り込んでいたアルティナはエフラム達に質問し、アルティナの質問を聞いたリィンは心配そうな表情でアルティナを見つめた。
「申し訳ございませんが、情報元に関しては機密扱いの為、今この場で教える事ができません。――――ただ、メンフィル帝国は”黒の工房”の”本拠地”を含めた拠点は全て掴み、それらを一つも残さず”抹殺”為の準備を進めている事だけはこの場で確言できます。」
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